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志摩観光ホテル クラシックとベイスイートの違い|両方 歩いて見た宿泊記(料金2.7倍の理由とラウンジ)

志摩観光ホテル ザ ベイスイートの玄関の看板とSmall Luxury Hotels of the Worldの銘板 おでかけ

志摩観光ホテル ザ ベイスイートに、ヒルトンのポイントで泊まりました。使ったのは105,000ポイント。同じ部屋を現金で買うと129,104円なので、1ポイント1.23円で使えた計算になります。

ただ、この記事で書きたいのはそこではありません。料理の写真ならよそにいくらでもあります。私が書けるのは、泊まってみないと分からなかった運用のほうです。ラウンジは昼と夜で中身が入れ替わる。売店はベイスイート側が閉まっていて、クラシックまで行くことになる。部屋のテレビでYouTubeが見られる。館内の見学ツアーが毎日あって、しかも無料。

どれも公式サイトには出ていません。泊まって、歩いて、ラベルを読んで、やっと分かりました。

先に、結論だけ5つ

  • クラシックとベイスイートの違い=値段はおよそ半分と倍。ベイスイートは全室スイートで宿泊者専用の大浴場つき、歴史と店はクラシック側。チェックインはクラシック14時/ベイスイート15時、チェックアウトは11時/12時
  • ラウンジはどちらに泊まっても両方 使えます。朝7時〜夜10時・無料・セルフ。17時30分からはワインとウイスキーが出ます。チェックアウトのあとも使えます
  • 同じ部屋が74,137円から203,846円まで動きます(2.7倍)。連休の初日が一番 高く、2日ずらすと10万円 変わります
  • 105,000ポイントは1ポイント1.23円でした。高い日に当てるほど効きます
  • お土産はベイスイートでは買えません。クラシックの売店まで歩いて5分。朝8時から開いていますが、前の日に買っておくと楽です

同じ部屋でも、行く日で値段が2.7倍 動きます。空室と値段だけ、先に見ておくと早いです。

一休.comでベイスイートの空室を見る

※広告を含みます。価格と空室は一休.comの画面でご確認ください。

ザ クラシック、ザ ベイスイート、そして「ザ クラブ」

この宿は3つの建物でできています。でも、これは「棟が3つある」という話ではありません。建てられた時代が3つ、地続きで残っているという話です。まず性格から。

見た目 性格
ザ クラシック 山小屋のような赤い板壁と石積み。ロビーに太い梁 歴史が置いてある側。サミットの円卓、山崎豊子の机、首脳9人の色紙、展示室。店も3つ
ザ ベイスイート 段々になった5階建て。夕陽が似合う 全室スイート。5階に屋上庭園とラウンジとレストラン
ザ クラブ クラシックからつながっている 動き出す場所。2階が見学ツアーの集合、星空観察会のウッドデッキ、庭園への出入口

私が泊まったのはザ ベイスイートです。ベイスイートからクラシックまでは歩いて5分。同じ敷地ですが、近くはありません。

志摩観光ホテルの敷地の案内図
敷地の案内図。3つの館は同じ敷地にあって、ベイスイートだけが離れています

ザ クラシック側に、歴史が全部 置いてある

先に言っておきます。ベイスイートに泊まると、歴史のほうには自分で歩いて行くことになります。ここを知らないと、何も見ずに帰ります。私は危なかった。

クラシック側にあったものを、見た順に並べます。

①「G7伊勢志摩サミット」を記念して——壁に色紙が9枚。安倍晋三元首相の毛筆(平成廿八年五月廿七日)、オバマ元大統領、メルケル元首相、オランド元大統領、キャメロン元首相、レンツィ元首相、トゥスク氏、ユンカー氏、そしてトルドー首相。

トルドー首相の色紙だけ、英語で長めに書いてありました。「For all my friends in the Kintetsu Group, Thanks for the wonderful hospitality!」。近鉄グループの皆さんへ、という宛名です。私はその近鉄で、名古屋から2時間かけて来ました。

「G7伊勢志摩サミット」を記念して掲げられた首脳9人のサイン色紙
「G7伊勢志摩サミット」を記念して、と掲げられた色紙9枚。安倍晋三元首相の毛筆から、トルドー首相の英語まで

②サミットの円卓——大きな楕円のテーブルを、白い椅子が9脚 囲んでいます。

ここで1つ、気づいたことがあります。この部屋が、館内見学ツアーの集合場所そのものでした。

朝9時に「ザ クラブの2階へ」と言われて上がると、もうそこに円卓があります。まわりに各国の国旗が立っていて、テーブルにはCANADA、FRANCE、JAPANの名札が置かれたまま。壁際には古い柱時計。天井は太い木の梁が渡してあって、柱には手仕事の凹凸が残っています。

つまりツアーは、一番 古い建物の、一番 濃い部屋から始まります。何の説明もなく、いきなりそこに立たされる。私は集合しただけのつもりで、5分ほど何も分からずに座っていました。

ザ クラブ2階の展示室にあるG7伊勢志摩サミットの円卓と白い椅子
館内見学ツアーの集合場所。国名の札が、円卓に置かれたままでした

壁に掛かっていた写真のパネルには、こう書いてありました。「26th May ワーキング・ランチ カフェ&バー Lien にて」。5月26日の昼、首脳たちが実際に食事をしている写真です。

円卓のことも、ツアーで詳しく教わりました。直径およそ3メートル。素材が全部 三重のものでした。

  • 天板=尾鷲(おわせ)の杉
  • 座面=伊勢木綿
  • フレーム=伊賀組子

杉と木綿と組子。県の南から北まで、材料で一周しています。各国の首脳が囲んだテーブルが、三重県の見本市になっていたわけです。

そして、ここが一番 驚いたところです。この円卓は3台あって、3台とも本物です。

レプリカや再現模型ではありません。2016年5月、実際に各国の首脳が囲んだテーブルそのものが、3つに分かれて置かれています。

そしてツアーで聞いた話です。そのうち2台は、ホテルが買い取りました。

サミットが終われば、こういう備品は普通どこかへ片付けられます。それを、お金を出して手元に残した。見学ツアーが無料なのも、展示室に誰でも入れるのも、同じ判断の延長に見えます。

  • ①ザ クラブ 2階の展示室(館内見学ツアーの集合場所)
  • ②レストラン「ラ・メール ザ クラシック」の中(国名の名札と国旗までセットされたまま)
  • ③近鉄賢島駅の2階「サミエール」

つまり③は、宿に入る前に見られます。電車を降りて、駅の階段を上がるだけです。ここから始めると、その後の1泊の意味が変わります。

私は順番を間違えました。泊まって、朝のツアーに出て、最後に駅で見ることになりました。これから行く方は、駅の2階から始めてください。

近鉄賢島駅の通路に掛かるG7伊勢志摩サミットの集合写真の額
賢島駅の通路の額。右の1枚は志摩観光ホテルの庭園で撮られた集合写真で「当駅より徒歩約5分」と添えてあります

帰りに、そのサミエールへ寄りました。円卓の横の掲示には、こう書いてあります。「この円卓と椅子は、伊勢志摩サミットの首脳会議で使用された実物です」

そして、うれしいことに、日本(JAPAN)の席には、座って記念撮影ができます。椅子は床に固定されていて動かせませんが、向きを回すことはできます。円卓の上に荷物は置けません。

伊勢志摩サミット記念館サミエールの円卓と椅子と各国の国旗
サミエールの円卓。首脳会議で使われた実物で、JAPANの席に座って写真が撮れます

国際政治に興味がある人なら、20分くらいは見ていられると思います。壁には首脳の色紙も並んでいます。

ひとつ注意があります。2階へは階段で上がります。大きなスーツケースを持って上がるのは大変です。階段の下にコインロッカーの案内が出ているので、荷物を預けてから上がるのが楽です。

開館は9時から17時で、年中無休。入口の掲示によると、館内は飲食物と傘の持ち込みができません。同じ2階の「カフェ サミエール」は10時から16時で、ラストオーダーはフードが15時、ドリンクが15時30分です。

賢島駅のサミエールへ上がる階段と開館時間の掲示とコインロッカーの案内
伊勢志摩サミット記念館サミエールの入口
左=駅の階段。開館時間の掲示の奥にコインロッカーの案内。右=2階の入口

なぜ賢島が選ばれたのか

これも聞くまで考えたこともありませんでした。警備です。

賢島へ渡る陸路は2本しかありません。志摩大橋と、近鉄線が通る賢島橋。この2本を止めれば、島ごと封鎖できます。検問も置きやすい。だから選ばれました。

そもそも英虞湾には大小およそ60の島があって、人が住んでいるのは賢島を含めて3つだけだそうです。そういう場所です。

日程の決め方も理詰めでした。過去30年の気象データを見て、梅雨に入る前で最も雨が少ない時期として5月26日・27日が選ばれたそうです。

警備の話は、もう少し続きます。オバマ大統領の滞在では、本国から防弾ガラスを持ち込んで設置し、SPが屋根裏まで点検。屋外からの目隠しも施され、屋上展望台には24時間 スナイパーが配置されていたそうです。

そして、ここが一番 効きました。そのことを知っていたホテルの人間は、警察関係者ひとりだけだったとのことです。

従業員用のエレベーター1基が、大統領専用として貸し切られていた話も教わりました。あの静かなロビーの上で、そんなことが起きていた。2016年5月の2日間だけの話です。

🔮 ガラスケースの中|首脳が実際に使ったもの

展示室にはガラスケースがあって、サミットで実際に使われた道具が並んでいます。1つずつ説明の札が付いていました。全部 読んできました。

越前塗の椀——蒔絵は二見ヶ浦の夫婦岩。素材は水目桜。札にこう書いてありました。「椀と蓋が密着して取れにくい状態とならないように、蓋に小さな切り込みを入れることで、片手でも簡単に開けられるよう工夫されています」。首脳会議の食事です。片手が塞がっている場面を想定して、蓋に切り込みを入れてある。赤い椀のほうは、5月27日のワーキングランチで実際に使われたものだそうです。

萬古焼(四日市)の盃——金と銀の盛絵。乾杯に使われました。ワーキングディナーと、安倍総理大臣夫人主催の夕食会の両方で。

伊勢春慶塗の二重弁当箱——札によると、宮大工が御造営材の払い下げを受けて造ったのが始まりだそうです。伊勢神宮の建て替えで出た木が、漆器になっている。中の仕切りは固定されていなくて、中身に合わせて変えられます。

輪島塗のボールペン「兎」——完成までに100を超える工程。首脳会議で使われました。置かれていたペン皿は三重県・尾鷲市と紀北町のヒノキで、FSC認証を受けた木材です。

越前塗の椀の展示
萬古焼の盃の展示
輪島塗のボールペンとアコヤパールのラペルピンの展示
伊勢春慶塗の二重弁当箱の展示
展示室のガラスケース。どれにも説明の札が付いています

🍶 首脳が飲んだものが、全部 貼り出してあります

壁に「主な飲物」という一覧が出ていました。コーヒーブレイク、カクテル、乾杯酒、食中酒まで、銘柄と蔵元が全部 書いてあります。読み応えがありました。

G7伊勢志摩サミットの主な飲物の一覧
「主な飲物」の一覧。コーヒーブレイクから乾杯酒まで、銘柄と蔵元が全部 書いてあります

三重の日本酒は、こう並んでいました。

  • 乾杯酒=瀧自慢 純米大吟醸[瀧自慢酒造・名張]
  • 乾杯酒=半蔵 純米大吟醸[太田酒造・伊賀]
  • 乾杯酒=作(ざく) 智 純米大吟醸 滴取り[清水清三郎商店・鈴鹿]
  • 食中酒=而今(じこん) 純米吟醸 山田錦[木屋正酒造・名張]
  • 食中酒=酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦[元坂酒造・多気郡]
  • カクテル=作 穂乃智 純米酒宮の雪 純米酒[宮崎本店・四日市]

ここで、思わず声が出ました。

作、瀧自慢、半蔵。この3つは、館内の売店に置いてあります。私は展示を見る前に、値札まで見ていました。作 穂乃智2,990円、半蔵 神の穂2,990円、瀧自慢3,520円。

等級は違います。それでも——2016年に世界7か国の首脳が乾杯した蔵の酒が、歩いて5分のところで3,000円で買えます。これは、お土産として相当 強い話だと思います。

ビールの選び方も面白いところでした。アサヒ、サントリー、キリン、サッポロ。4社ぜんぶのプレミアムが並んでいます。どこか1社を選ばない、という選び方です。

そして、ジュースに目が止まりました。三重のみかんジュース3種とトマトジュースに混じって、宮城県産のブルーベリージュース岩手県産のりんごジュースが入っています。

2016年のサミットです。三重の会議で、東北のものが出ている。飲みものの一覧に、その年の日本が出ていました。

💍 そして、真珠が世界の首脳の襟に

同じケースに、小さな箱が1つ 入っていました。アコヤパールのラペルピン。札にはこうあります。

英虞湾で養殖された真珠を使ったラペルピンが、各国首脳へ贈られました。(展示品は、公室レプリカ)

The pearls in this pin symbolize harmony between humanity and nature. In Shima, we strive to preserve this harmony for future generations.
3mm-9mm Akoya pearls cultivated at Ago Bay / 18K Gold

ここで、この宿の話が1本につながりました。

  • 約130年前、御木本幸吉がこの湾で養殖真珠に成功した
  • 真珠を運ぶために鉄道と港ができ、無人島だった賢島に人が住んだ
  • 国立公園になり、1951年にこのホテルが建った
  • 2008年のベイスイートには、5万3,000粒の本真珠が埋め込まれた
  • 客室のシャンプーはミキモト。館内の2階にはミキモトの店
  • そして2016年、この湾で育った真珠が、世界7か国の首脳の襟についた

窓の外に見えている、あの静かな湾です。130年かけて、ここまで来ています。

私は2日間、その湾を見ながらビールを飲んでいただけでした。

そして、その展示の横に、机が1つ 置いてあります。ここが、私が一番 驚いたところです。

山崎豊子が執筆に使った机と椅子、スタンドランプの展示
山崎豊子が執筆に使った机が、障子の前にそのまま置いてあります

山崎豊子は、この宿で書き出しを書いた

机の横に、説明の札が立っていました。読んで、しばらく動けませんでした。

作家 山崎豊子先生がご執筆に使われた机
山崎先生は一九五五年から当ホテルをご利用され、旧館増築後からは東南角の六五〇号室(現在はございません)に必ずご宿泊されました。

そこに、ご本人の言葉が引いてあります。ホテルの社内誌「浜木綿」の創立三十周年記念号(1979年11月)に寄せた「わが作品のふるさと」からの抜粋でした。

…何時間も、何日も、沈み行く夕陽を眺めた。(中略)燃えながら沈んで行く夕陽のすがたは、『華麗なる一族』の象徴であり、作品の産ぶ声をそこに聞くことが出来たのだった。こうした長編小説の産ぶ声ともいうべき、冒頭の書き出しを、このホテルで執筆したのは『華麗なる一族』の場合だけではない。私の処女作『暖簾』をはじめ、『花のれん』『女の勲章』そして最近では『不毛地帯』の書き出しも、志摩観光ホテルの一室であった。

『暖簾』『花のれん』『女の勲章』『華麗なる一族』『不毛地帯』。あの書き出しは、全部ここで生まれています。

ラウンジの本棚に並ぶ山崎豊子の本と真珠の洋書
ラウンジの本棚にも、山崎豊子の本が並んでいました。窓の外は夕方の英虞湾です

もう1つ、気づいたことがあります。和食レストランの名前が「浜木綿」です。社内誌と同じ名前でした。

見学ツアーでは、さらに踏み込んだ話を聞きました。

『華麗なる一族』の万俵家——阪神財閥のモデルになった家族は、山崎先生がこのホテルで見かけたご家族がヒントだったとされているそうです。

滞在して、夕陽を眺めて、書き出しを書いた。そのうえ、登場人物までこの建物の中で見つけている。

映像化は3度あります。1974年の映画、2007年の木村拓哉さん主演のドラマ、2021年のWOWOW版。

ここで、面白い裏話を教わりました。1974年の映画は、館内でロケをしています。本物のこの建物です。

ところが2007年のドラマは、館内で撮れませんでした。スケジュールの都合だったそうです。現地ロケは外観だけで、館内のシーンは横浜のホテルニューグランド静岡の日本平ホテルで撮られています。

つまりドラマで見た「あの部屋」は、ここではありません。1974年の映画のほうが、本物を映しています。

そして山崎豊子が何時間も眺めたという夕陽は、いまも同じ場所から見えます。私も見ました。この宿の眺めは、飾りではなく、作品の材料だったということです。

サミットの記念撮影は、2か所ある

庭に説明板が立っていて、これも読むまで知りませんでした。記念撮影は1回ではありません。

初日(2016年5月26日)は「屋上庭園」。G7の首脳9人だけで撮っています。英語の板には Sunset Garden と書いてありました。

屋上庭園に立つG7首脳記念撮影の説明板と英虞湾
屋上庭園の説明板。初日の記念撮影はここでした

2日目(5月27日)は「庭園」。こちらはG7にアウトリーチの首脳が加わって、20人を超える集合写真です。

庭園に立つG7首脳とアウトリーチ首脳の記念撮影の説明板
庭園の説明板。2日目はG7とアウトリーチの首脳がここに並びました

ここからが本題です。初日の「屋上庭園」は、ザ ベイスイートの5階にあります。ゲストラウンジと同じ階です。

つまり——オバマとメルケルと安倍さんが並んだ場所に、泊まった人はラウンジからそのまま出て立てます。柵も案内も、特にありません。私は、そうと知らずに2回 出ていました。

屋上庭園のG7 2016 ISE-SHIMA SUMMITのプレートと夕陽
屋上庭園の足元のプレート。宿泊者はラウンジから出て、ここに立てます

ベイスイートは、階で覚えると早い

エレベーターの案内をそのまま書きます。

ザ ベイスイートのフロア案内
ザ ベイスイートのフロア案内。5階にラウンジとレストランと屋上庭園
  • 5階=洋食「ラ・メール」/バー「ル・ファール」/ゲストラウンジ屋上庭園
  • 4階=和食「浜木綿」/客室
  • 3階=小宴会場/客室
  • 2階=eau SPA/スパ&サウナへの通路/客室
  • 1階=コンシェルジュ・ラウンジ/ベイスイート・ブティック/客室

5階に行けば、食事もラウンジもバーも屋上庭園も全部 揃います。迷ったら5階。これだけ覚えておけば足ります。

逆に2階が曲者です。客室の廊下と、スパ・サウナへの通路が同じ階にあります。大浴場の行き方が分かりにくいのは、この構造のせいでした。

🚨 同じ名前のフレンチが、2つあります

ここは、予約するときに間違えます。私も現地で聞いて、やっと分かりました。

「ラ・メール」は2つあります。

  • ラ・メールザ ベイスイートの5階
  • ラ・メール ザ クラシックザ クラシック側

名前がほとんど同じで、建物が違います。ネットで「志摩観光ホテル ラ・メール」を調べると、この2つの情報が混ざって出てきます。私が読んだ記事の中にも、混ざったまま書いてあるものがありました。

泊まる建物と、食事をする店。予約のときは、この2つが揃っているかを確かめてください。歩いて5分 離れています。

ちなみに和食の「浜木綿(はまゆう)」はザ ベイスイートの4階です。こちらは名前がひとつなので迷いません。

ついでに、公式サイトで数え直しました。レストランのページに載っているのは5つです。このほか、ザ ベイスイートの5階にバー「ル・ファール」があります(館内のフロア案内より)。

  • レストラン「ラ・メール ザ クラシック」(クラシック側)
  • フレンチレストラン「ラ・メール」(ベイスイート5階)
  • 和食「浜木綿」(ベイスイート4階)
  • 鉄板焼レストラン「山吹」
  • カフェ&ワインバー「リアン」

鉄板焼の「山吹」には入っていません。カフェ&ワインバーの「リアン」は、食事はせずに店内だけのぞいてきました(この後に書きます)。

🎨 藤田嗣治《野遊び》が、食事をしながら見られます

これが、この宿で一番 語られていない話かもしれません。

レストラン「ラ・メール ザ クラシック」には、藤田嗣治の《野遊び》が掛かっています。乳白色の、あの画家です。大きな絵で、中央に高い木、その左右に女性という構図です。

来歴を、見学ツアーの音声ガイドで教わりました。この絵は3回 引っ越しています。

  1. もともとは京都の丸物百貨店(現・近鉄百貨店京都店)の、エレベーター乗降口の上に飾るために描かれた大作
  2. その後、シェラトン都ホテル東京などを経て
  3. 2002年、天井の高さに余裕のある志摩観光ホテルへ

来歴を知ると、構図の意味も通ります。これは百貨店のために描かれた絵です。だから女性の装いが主題になっている。エレベーターを降りた先に掛かっていて、買い物に来た人を迎える絵だったわけです。

「天井が高いから、ここに来た」。理由がそれだけ、というのが良いと思いました。百貨店のエレベーター前で人を見送っていた絵が、いま英虞湾を背にして掛かっています。

ガイドの方いわく、この絵を見るために遠くから来るお客さんがいるそうです。

そしてここが大事なところです。この絵は、食事をしながら正面で見られます。美術館のように並ぶ必要も、順路を進む必要もありません。席に座って、ワインを飲みながら、ずっと見ていられます。

ひとつ、調べた結果も書いておきます。志摩観光ホテルの公式サイトには、この絵の記載が一言もありません。レストランの紹介ページを読んでも、絵の話はどこにも出てきませんでした。

🍽 そして、サミットの円卓がもう1台あります

同じ「ラ・メール ザ クラシック」の中に、あの円卓がセットされたまま置いてありました。

紺のクロスの上に、木の名札が並んでいます。UNITED STATES、JAPAN、GERMANY、FRANCE、ITALY、CANADA、そして EUROPEAN UNION。後ろには各国の国旗。真ん中に黄色い花。

ラ・メール ザ クラシックに置かれたサミットのテーブル
ラ・メール ザ クラシックのテーブル。国名の札が並んでいます

皿は金の縁取りに青い花、中央に紋章が入ったもの。グラスは1席に4脚から5脚 並んでいます。当時のセッティングが、そのまま残されているという形でした。

展示室で「円卓がある」と聞いて見に行ったら、食事をする店の中にも、もう1つあったわけです。しかもレプリカではありません。詳しくは次に書きます。

店内そのものが、見る価値があります

天井を見上げてください。木で大きく組んだ天井で、その間から光が落ちてきます。そこにクリスタルのシャンデリアが7つ下がっています。真ん中の1つが大きく、まわりに小ぶりなものが6つ。

ラ・メール ザ クラシックの店内とシャンデリア
木で組んだ天井とシャンデリア。壁際に絵付けの皿の飾り棚が3つ

ここも、ツアーで説明を聞くまで意味が分かりませんでした。この波打つ天井は、海をかたどった村野藤吾のデザインだそうです。

窓の外に英虞湾があって、天井にも海がある。言われないと、ただの立派な天井です。

壁際には飾り棚が3つあって、絵付けの皿が並んでいました。床は寄木。テーブルクロスは白。

藤田嗣治の《野遊び》と、サミットの円卓と、この天井が、同じ部屋にあります。

👶 家族連れの答えは、こちらでした

朝食の章でくわしく書きますが、ベイスイートのレストランは小学生以上です。あの掲示をもう一度よく読むと、英語にこうあります。「Dress Code for Shima Kanko Hotel The Bay Suites

ベイスイートについての掲示です。

実際、ラ・メール ザ クラシックには、小さいお子さんを連れたご家族がいらっしゃいました。私が見たときの話ですが、雰囲気もベイスイート側より寛いでいます。

断定はしません。条件はホテルに確かめてください。ただ「小さい子がいるからこの宿は無理だ」と決める前に、クラシック側を聞いてみる価値はあります。

この宿は、そういうところがあります。1951年の建物だとも、村野藤吾だとも、館内では大きく謳っていません。真珠が5万3,000粒 入っていることも、言われなければ気づきません。置いてあるだけで、説明しない。

だから知って行くかどうかで、同じ1泊がまったく別のものになります。この記事を書いている理由の半分は、そこです。

ただし「リアン」は、あとで意味を持ちます。展示室に掛かっていた写真のパネルに、「26th May ワーキング・ランチ カフェ&バー Lien にて」とありました。G7の首脳が昼食をとったのは、この店です。

そのリアンも、のぞいてきました。

ザ クラブと同じ、太い木の梁と柱がむき出しの空間です。天井が高く、勾配がそのまま見えます。創業の建物の意匠が、そのまま店になっている感じでした。

カウンターの奥の棚に、ボトルが100本 以上 並んでいます。ウイスキー、ブランデー、リキュール。ガラス張りのワインセラーもありました。席は赤いレザーのベンチと、寄木のテーブル。

カフェ&ワインバー リアンのカウンターと酒の棚
「リアン」のカウンター。奥の棚にボトルが並びます

2016年5月26日の昼、この部屋で7か国の首脳が食事をしました。いまは、泊まっていれば誰でも座れます。コーヒー1杯で。

3つの館は、3つの時代です

見学ツアーに出て、ようやく整理がつきました。年表にします。

志摩観光ホテル ザ クラシックの看板
志摩観光ホテル ザ クラブの看板
志摩観光ホテル ザ ベイスイートの看板とSLHの銘板
3つの館の看板。左からザ クラシック、ザ クラブ、ザ ベイスイート(SLHの銘板つき)
開業 建った理由
ザ クラブ 1951年4月3日 伊勢志摩が国立公園になったのに、洋風の宿が無かった。開業時は25室・48名
ザ クラシック 1969年 翌年の大阪万博で増える訪日客に備えて
ザ ベイスイート 2008年 全室スイート・50室全室が西向き

ザ クラブとザ クラシックは、どちらも村野藤吾の設計です。18年 離れた建物を、同じ人が建てている。

ベイスイートが全室 西向きなのは、夕陽のためです。50室しかないのに、1室も東を向いていません。山崎豊子が何日も眺めたという夕陽に、建物ごと向き直した設計でした。

ザ クラブに残っているもの

築75年を超えています。ツアーで教わったのは、こういうところでした。

  • 柱に歪みと凹凸がある。手仕事の跡がそのまま残っています
  • 開業当時の照明器具が、いまも使われています
  • 階段の勾配が緩い。理由は「ドレスを着た女性が歩きやすいように

3つ目を聞いたとき、少し鳥肌が立ちました。1951年に、誰が何を着てここへ来るかを想像して、階段の角度を決めている。そういう設計です。

💎 建物に、本真珠が5万3,000粒

ここが、この日 一番 驚いた数字です。

ザ ベイスイートには、計 約5万3,000粒の本真珠が使われています。

  • ロビーのシャンデリア=約9,000粒
  • エレベーターの手すり=1本あたり 約2,000粒

私は2日 この建物にいて、まったく気づきませんでした。手すりを何度も握っていたのにです。

そして、ここで線がつながります。浴室のシャンプーはミキモト。館内の2階にはミキモトの店。建物そのものに5万3,000粒の真珠。窓の外は真珠の養殖が始まった湾

飾りではなく、この土地そのものでした。

そもそも、賢島は無人島でした

ツアーの最初に聞いて、一番 意外だった話です。

賢島は英虞湾に浮かぶ周囲7.2キロの島で、かつては人が住んでいませんでした。

変えたのは真珠です。約130年前、ミキモトの創業者・御木本幸吉が、賢島のすぐ近くの多徳島(たとくじま)で養殖真珠に成功しました。真珠を運ぶために鉄道が引かれ、港が整備され、人が住むようになった——それが賢島です。

つまり私が名古屋から乗ってきた近鉄も、元をたどれば真珠のための線でした。

そして1946年11月20日伊勢志摩が戦後初(国内13番目)の国立公園に指定されます。ところが洋風の宿が1つも無かった。そこで当時の三重県知事が近鉄と三重交通に声をかけ、共同で建てたのが、1951年4月3日開業の「志摩観光ホテル」=いまのザ クラブでした。

ついでに、地名の由来も教わりました。干潮になると歩いて渡れたことから「かしこ島」と呼ばれ、いまの「賢島」の字が当てられたそうです。

ひとつ、行く人へ。開業した頃は大阪から4〜5時間かかりました。道は舗装されておらず、途中から山道をバスで2時間半。いま名古屋から2時間で着くのは、相当 恵まれています。

📜 庭に、昭和天皇の歌碑があります

これも歩かないと見つかりません。庭園に歌碑が立っています。

昭和天皇がこの宿に泊まられたとき、賢島の景色と、サルトリイバラの実を詠まれた歌だそうです。その歌が翌年の新聞に載ったことをきっかけに、志摩観光ホテルの名前が全国に広がった——ツアーでは、そう説明されました。

ホテルが有名になった理由が、広告でも雑誌でもなく一首の歌だった、という話です。

ついでに、もう1つ。賢島は「日本の夕日百選」に選ばれています。山崎豊子が何日も眺めた夕陽も、ベイスイートが全室 西を向いている理由も、ここに行き着きます。

1951年開業。設計は村野藤吾

帰ってから調べて、背景が分かりました。テレビ東京系の「新美の巨人たち」が、この宿を1本まるごと取り上げています(2025年10月4日放送・アートトラベラーは内田有紀さん)。番組の紹介文に、こうありました。

1951年に開業した「志摩観光ホテル」は、皇族をはじめ、多くのVIPが訪れ、作家・山崎豊子の小説「華麗なる一族」の舞台にもなりました。さらに2016年の「G7伊勢志摩サミット」では、各国の首脳が滞在。特にオバマ大統領が宿泊したスイートルームは必見です…!
設計は、「日生劇場」(東京・千代田区)や「世界平和記念聖堂」(広島市)などを手がけた昭和を代表する建築家・村野藤吾

3つ、分かりました。

①1951年開業。戦後すぐです。この宿が始まった建物が、いまも歩けるところに残っている、という意味になります。

②設計は村野藤吾。日生劇場と、広島の世界平和記念聖堂を手がけた人です。番組は「戦後初の純洋式リゾートホテル」と紹介していました。私はラウンジの天井や、廊下の手すりの高さを「良いな」と思って歩いていましたが、理由があったわけです。

③オバマ大統領が泊まった部屋がある。これは番組の紹介文にあった話で、私は見ていません。泊まっただけでは案内されないところだと思います。

これは見学ツアーで、場所まで教わりました。ザ クラシックの6階、ロイヤルスイートだそうです。私は中を見ていません。ただ、どの建物の何階かが分かるだけでも、見え方は変わります。

ひとつ、自分の反省として書いておきます。私はこの背景を知らずに泊まりました。知っていたら、同じ廊下の歩き方が違ったはずです。これから行く方は、先に1951年と村野藤吾だけ頭に入れてから行ってください。それだけで建物の見え方が変わります。

ザ クラブは、この宿が始まった建物でした

3つ目のザ クラブについて、私は「別棟のひとつ」くらいに思っていました。違いました。

ここが、この宿が始まった建物です。創業のときの建物が、いまもそのまま残っていて、ザ クラシックから中でつながっています。外に出る必要はありません。

そう聞いてから、もう一度 見に行きました。同じ廊下が、違って見えました。

そして館内見学ツアーの集合場所が、このザ クラブの2階だという意味も、やっと分かりました。一番 古い建物から歩き始めるという順番になっています。ホテルが自分の歴史を、どこから話したいか。その答えが集合場所に出ていました。

いまのザ クラブは、動き出す場所でもあります。2階に集まっています。

  • 館内見学ツアーの集合場所(毎日9:00・無料・予約不要)
  • 星空観察会の会場になるウッドデッキ
  • ガーデンプールへ行くときの庭園出入口

ツアーで確かめました。ザ クラブとザ クラシックは、中でつながっています。外に出る必要はありません。雨の日でも、傘なしで行き来できます。

ただしベイスイートへは、外を歩きます。そこだけ別です。

で、どちらに泊まるか|先に値段を見てください

正直に言うと、ここは好みの前にお金で決まります。同じ日で比べた最安がこれです。

ザ クラシック ザ ベイスイート
平日 37,801〜43,189円 84,506〜100,965円
土曜 58,058〜78,533円 121,551〜189,540円

2026年9月23日 6時台の一休.com表示/大人2名1泊・最安の部屋・税込・一休のポイント利用込み。10月〜12月の平日と土曜を数日ずつ見た幅です。

ザ クラシックは、ザ ベイスイートのおよそ半額です。倍 違うと、選び方は変わります。

ザ ベイスイートが向いている人

  • 記念日や、はじめての志摩。全室スイートなので、部屋で外れを引きません
  • 移動を少なくしたい人。5階に食事もラウンジもバーも屋上庭園も揃っています。エレベーターで完結します
  • 夕陽をちゃんと見たい人。屋上庭園はG7の初日に首脳が並んだ場所で、泊まっていれば自由に出られます
  • 小学生以上の子ども連れ。部屋が広く、リビングと寝室が分かれています(ベイスイートのレストランは小学生以上。未就学児はクラシック側を考えてください)
  • ヒルトンのポイントで泊まる人。SLHの対象はこちらです

ザ クラシックが向いている人

  • 2人で4万円台に収めたい人。これが一番 大きい理由です
  • 建物そのものを見に来た人。サミットの円卓、首脳9人の色紙、山崎豊子の机、展示室——歴史はぜんぶクラシック側にあります
  • 買い物をする人。店が3つ(1階ショップ・2階ブティック・2階ミキモト)。ベイスイート側のブティックは2026年2月18日から休んでいます
  • 朝と夜に動く人。ヨガの会場(2階フィットネスジム)も、湾のクルーズの集合(1階ロビー)もこちらです
  • ラウンジで長く過ごす人。クラシックのラウンジは時間帯で3つに分かれていて、バータイムは17:30から22時まであります

クラシックに決めた人は、こちらです。平日なら2人で3万7千円台の日がありました(上の表と同じ、2026年9月23日の一休.comの表示)。

一休.comでザ クラシックの空室を見る

※広告を含みます。価格と空室は一休.comの画面でご確認ください。

ここだけは正直に書きます

私はザ クラシックには泊まっていません。歩いて見に行っただけです。だから「部屋がどうだったか」は書けません。書いてあるのは、私が実際に見た建物と、展示と、店と、公式の案内に出ていた時間だけです。

そのうえで言うと——どちらに泊まっても、もう片方には歩いて5分で行けます。

だから本当に決めるべきなのは、どちらに泊まるかより「クラシック側へ行く時間を、最初から空けておくかどうか」でした。私はラウンジに入り浸って、星空観察会を逃しています。時間は自分で作らないと、ここでは何も見ずに帰れてしまいます。

どちらにするか決まったら、先に空室と値段だけ見ておくと早いです。この宿は同じ部屋でも日によって2.7倍 変わります(くわしくは後半の価格の章に4か月分の実測を載せました)。

一休.comでベイスイートの空室を見る

※広告を含みます。価格と空室は一休.comの画面でご確認ください。

名古屋から賢島へ|近鉄の3つの乗り方と、取るタイミング

名古屋から賢島までは近鉄で2時間ほど、乗り換えなしで行けます。ただし、どの列車に乗るかで値段も時刻も取りやすさも変わります。これが調べ始めると一気に分かりにくいので、先に1枚にまとめます。

名古屋⇔賢島 3つの乗り方1人・片道/2026年9月 近鉄公式の運賃・料金検索より乗車券2,370円特急料金1,640円追加料金① しまかぜ5,060円1日1往復・木曜運休。名古屋10:25発→賢島12:27着賢島15:40発→名古屋17:44着② 伊勢志摩ライナー4,010円〜ツイン席(2人用)・サロン席は追加0円デラックス席は+420円。名古屋直通は便が限られる③ 通常の特急・ビスタカー4,010円賢島発の名古屋直通は毎時30分ごろに1本前日でも取れた(2026年9月22日に実測)発売は乗車日1か月前(前の月の同じ日)の10時30分から
近鉄公式の運賃・料金検索(2026年9月22日に照会)と、しまかぜ・伊勢志摩ライナーの公式ページより。

① しまかぜは観光特急です。乗車券と特急料金に加えて、しまかぜ特別車両料金が1人1,050円かかります。ただ、値段より効くのは本数のほうです。名古屋と賢島を結ぶしまかぜは1日1往復だけで、木曜日は運休します。行きが名古屋10時25分発の賢島12時27分着、帰りが賢島15時40分発の名古屋17時44分着。この2本しかありません。

ここに落とし穴があります。ザ ベイスイートのチェックインは15時です。しまかぜで行くと12時27分に着いてしまうので、2時間半ほど余ります。帰りも、チェックアウトが12時なのに対して15時40分発なので、3時間40分あく。しまかぜは乗ること自体が目的になる列車なので、その時間を賢島で過ごす前提なら最高の選択です。でもホテルの時間に合わせたいなら、噛み合いません。

ただ、余った時間には埋め方があります。賢島エスパーニャクルーズの乗り場は、賢島駅から徒歩2分の賢島港です。英虞湾を約50分まわって大人1,900円。賢島発は9時30分から1時間おきで、13時30分の便に乗ると14時20分ごろに戻ります。つまりしまかぜで12時27分に着いて、駅で昼を済ませ、13時30分のクルーズに乗って、15時のチェックインに入る。これならきれいに埋まります。帰りも同じ手が使えます。チェックアウト12時から15時40分のしまかぜまで、クルーズ1本と駅2階の伊勢志摩サミット記念館(入館無料・9時から17時)でちょうどです。

もっと楽な手もあります。ラウンジは、チェックアウトのあとも使えました。12時に部屋を出て、ラウンジで湾を見ながら過ごし、時間になったら駅へ。3時間半のすき間が、そのまま滞在の続きになります。

英虞湾を進むスペインの帆船を模した遊覧船と真珠いかだ
高台から見下ろした英虞湾の遊覧船。手前の島の脇に、真珠のいかだが並んでいます

② 伊勢志摩ライナーは追加料金なしで乗れます。2人用の「ツイン席」と3〜4人用の「サロン席」があって、こちらも追加料金は要りません(人数分の乗車券と特急券だけ)。座席の広いデラックス席にしても1人420円です。ただし名古屋と賢島を直通する便が限られていて、選ぼうとすると宇治山田などでの乗り換えになることがあります。

③ 通常の特急は、賢島発の名古屋直通がおおむね毎時30分ごろに1本あります。2階建てのビスタカーが入ることもあります。値段は伊勢志摩ライナーのレギュラー席と同じ4,010円です。

もう1つ、近鉄にはフレンチを食べながら賢島へ向かう列車もあります。料金と空席、予約の取り方はレ・サヴール志摩の記事に実測で書きました。

そして、取るタイミングです。近鉄の特急券は乗車日の1か月前、前の月の同じ日の10時30分から発売されます。乗車券も同時に買えます。①を狙うなら、旅程が決まった時点でこの日を押さえてください。1日1往復なので、後から動かすのが難しい。逆に③は、私が前日の深夜に取れました。通常の特急なら直前でも席はあります。

実際、帰りの日(9月23日・秋分の日)は、駅の掲示で昼12時の時点で、しまかぜが3本とも満席でした。大阪難波行き16時、名古屋行き15時40分、京都行き14時50分。当日に思い立って乗れる列車ではありません。

賢島駅のしまかぜ残席のお知らせ。9月23日12時現在、大阪難波行き・名古屋行き・京都行きとも満席
賢島駅のホームに並ぶしまかぜ
左=9月23日12時の残席の掲示。右=賢島駅のホームには、しまかぜが並んでいました

私は通常の特急で帰りました。発車したとき、7号車は私ひとりでした。鵜方で2人乗ってきて、伊勢市で一気に埋まりました。賢島から伊勢市までは空いていて、混むのはその先、というのがこの日の実感です。

賢島駅を発車するときの近鉄特急の空いた車内
賢島を出るときの7号車。祝日でも、この状態でした

乗車券は、クレジットカードのタッチ決済でも乗れます。近鉄は全線が対象です(生駒ケーブルと葛城山ロープウェイを除く)。ただし名義人以外は使えないので、2人なら2枚要ります。それと名古屋駅で名鉄やJRに乗り換えるときは、近鉄の連絡改札ではタッチ決済が使えません。一度 改札の外に出てください。

近鉄志摩線の終点 賢島駅のホームと駅名標
終点の賢島駅。ここからホテルまでは車で数分です

賢島駅からホテルまで|送迎はアルファード(要予約)、荷物には触らせない

近鉄の賢島駅に着いたのが15時17分。ホテルの送迎が出たのが15時22分。5分です。待ち時間はありませんでした。

車はアルファード。乗り込むときにステップがせり出してくる仕様で、シートは本革でした。ここまでは、まあ高級ホテルの送迎です。

志摩観光ホテル ザ ベイスイートの送迎車アルファードの車内
賢島駅からの送迎車。駅に着いて5分で出ました

驚いたのは着いてからでした。トランクの荷物に手を伸ばそうとしたら、止められる。そのまま椅子へ案内されて、座っている間に荷物は部屋へ運ばれていました。チェックインの手続き中、一度も荷物に触っていません。

ベイスイートの敷地は、同じ志摩観光ホテルのクラシック館から歩いて5分ほどの位置にあります。歩けない距離ではない。それでも車が出ます。翌朝の見学ツアーのときは雨だったので、フロントにお願いして行きも帰りも車で送ってもらいました。

もうひとつ。エントランスで自撮りをしようとしていたら、アルファードから人が降りてきて、写真を撮ってくれました。賢島駅から乗せてくれたのと同じ方です。別の送迎から戻ってきたところで、こちらを見つけて降りてきた。

そのままエレベーターホールまで案内されて、そこで見送られました。こちらからは何も頼んでいません。

客を歩かせない、というより、客を放っておかない。この宿の流儀は、たぶんそこです。私は歩くのも自分で荷物を持つのも嫌いではないので、最初はちょっと落ち着かなかったですけど。

帰りの送迎で、運転手さんに聞いてみました。泊まっているのは日本人のお客さんが9割だそうです。

送迎は要予約|前日までに到着時刻を伝えておく

ここは公式サイトの案内で補います(2026年9月23日に確認)。ザ ベイスイートの送迎は予約制です。前日までに、ホテル代表(0599-43-1211)かメールで到着時刻を伝えておきます。当日に連絡するなら、賢島駅に着く前に代表番号か当日専用の送迎ダイヤル(0599-43-8714)へ。所要は約3分と書いてあります。

一方、ザ クラシックは予約なしの無料シャトルバスです。賢島駅のロータリーから出て約2分。帰りはクラシックの玄関から出ます。同じ志摩観光ホテルでも、館で仕組みが違います。

私の場合は、着いてから5分で車が出ました。前日までに伝えておけば、駅で待つ時間はほぼ要らないはずです。

伊勢神宮の内宮へは「パールシャトル」|ホテルの玄関前から乗れます

賢島に泊まる人の多くは、伊勢神宮とセットで動きます。そのための直行バスがパールシャトルで、ザ クラシックとザ ベイスイートの玄関前から乗り降りできます。私は使っていないので、公式の案内(2026年9月23日時点)から要点だけ写しておきます。

  • 事前予約制。空席があれば当日も乗れます
  • ホテル発は1日2便。1便=ザ クラシック8時31分/ザ ベイスイート8時35分2便=11時06分/11時10分
  • 運賃は片道で、内宮まで大人1,500円・子ども750円。志摩スペイン村と伊雑宮(川辺バス停)は大人600円・子ども300円(子ども運賃は6歳〜12歳未満)
  • WEB予約の窓口が2つに分かれています。乗車前日の17時30分までと、前日18時から発車時刻までで入口が違います

ベイスイートのチェックアウトは12時なので、2便の11時10分に乗るなら、朝食と荷物を先に片付けておくことになります。1便の8時35分なら、朝食は7時に入る計算です。ここは朝の組み立てに直接 効きます。

ゲストラウンジ|昼と夜で中身が入れ替わる

この記事で一番 書きたいのがここです。

ゲストラウンジは朝7時から夜10時まで。宿泊者だけが使えて、料金はかかりません。館内の掲示に時間の割り振りが出ていました。

ゲストラウンジの時間帯を示す案内板
ラウンジの入口の案内。時間帯で出るものが切り替わります

掲示には「提供するドリンクやフードアイテムは時間帯により異なります」とあります。これが誇張ではありませんでした。

昼のラウンジ|ティータイムに出ていたもの

私が入ったのは夕方前。出ていたのはおはぎが3種(抹茶、黒ごま、あんこ)、マカロン、焼き菓子。お茶は三重県産のかぶせ茶。翌日が秋分の日だったので、お彼岸の設えだったんだと思います。

昼のゲストラウンジのパウンドケーキとマカロン
ゲストラウンジのおはぎ3種
昼のラウンジ。焼き菓子とマカロン、お彼岸のおはぎ

中秋の名月の満月観察会を目当てに日程を組んだのに、そちらは3日 後ろでした。空振り。代わりにお彼岸のおはぎに当たったので、まあ、季節には触れたことにしておきます。

夜のラウンジ|バータイム(17:30〜22:00)のメニュー

17時30分を回ってから戻ったら、中身が全部 入れ替わっていました。

  • スパークリングワインが氷のバケツで冷えている
  • 赤はムートン カデ(2022年・ボルドー)
  • カンパリ、デュワーズ ホワイトラベル、ボンベイ サファイア、日本酒
  • ヱビスの瓶ビール
  • カナッペが3種、タルトが2種、コロッケ、ナッツ、ポテトチップス、あられ

ジンとウイスキーとカンパリが並んでいる時点で、これはラウンジではなくバーです。カトラリーはノリタケでした。

夜のゲストラウンジのカナッペとタルト
バータイムのカンパリ、デュワーズ、ボンベイ サファイア、日本酒
17時30分からのバータイム。料理はカナッペとタルト、酒は棚ごと入れ替わります

結果として、夕食を頼みませんでした。お腹が空かなかったので。

ラウンジは「2つ」あって、両方 使えます|クラシック側にも入れました

ここも、案内板を読むまで気づきませんでした。ラウンジはベイスイートとザ クラシックの両方にあります。そして時間の区切り方が違います。

時間帯 ザ クラシック ザ ベイスイート
ティータイム 7:00〜14:00 7:00〜17:30
アフタヌーンタイム 14:00〜17:30
バータイム 17:30〜22:00 17:30〜22:00
営業時間 7:00〜22:00

朝7時から夜10時まで、15時間 開いています。これは、かなり贅沢な設計だと思います。途中で閉まらないので、部屋に戻るタイミングを気にしなくていい。

朝食のあと、8時半にクラシック側のラウンジに入ってみました。お客は3人ほど。マダムがひとり、新聞を広げていました。

長い一枚板のカウンターが伸びていて、真鍮のペンダントライトが等間隔で下がっています。奥は椅子とソファの席で、本棚に伊勢神宮の写真集が並んでいました。

ザ クラシックのゲストラウンジ
ザ クラシック側のゲストラウンジ。本棚とソファの席

朝の8時半に、新聞を広げられる場所。この宿の時間の流れ方が、その一枚で分かりました。急かすものが何もありません。

公式の案内によると、クラシックのラウンジにはリーディングルーム(ホテルの来歴に沿って選んだ数百冊)と、予約制・無料のリスニングルーム(デンマークのDALI社のスピーカー)が併設されています。私が見たのは本棚のほうで、リスニングルームの中までは確かめていません。音楽を目当てに行く人は、予約制なので先に聞いてみてください。

飲みものと、お菓子の中身

冷蔵庫を開けて全部 見てきました。

ザ クラシックのゲストラウンジの冷蔵庫
クラシック側のラウンジの冷蔵庫。ジュースからビールまで、朝から開いています
  • ジュース=みかん・ぶどう・ピーチ・りんご・洋梨(缶)。野菜ジュースとトマトジュースも
  • ポカリスエット、コーラ、カナダドライ、緑茶
  • お酒=ヱビス、アサヒ スーパードライ、ノンアルコールビール、ワイン
  • コーヒーはJURAの全自動マシン
  • 焼き菓子=マドレーヌ、パウンドケーキ、ドライフルーツ

朝から、ビールが飲めます

案内板には「バータイム 17:30〜22:00」と書いてあります。

ところが冷蔵庫は、朝から開いています。セルフサービスなので、中のヱビスもスーパードライも、朝7時に手を伸ばせば取れます。

見学ツアーのあとにもう一度 寄ったら、実際にしっかり飲んでいる方がいらっしゃいました。誰も何も言いません。

これは、良い設計だと思いました。休みに来ているのだから、何時に何を飲んでもいい。そこを時間で縛らない。朝8時半に新聞を広げているマダムと、朝からビールを開けている人が、同じ部屋にいる。この宿の懐の深さは、そういうところに出ていました。

もちろん、その日 運転する方は別の話です。

ベイスイートのラウンジも同じでした。朝からビールが出ています。そしてもう1つ、帰る日に分かったことがあります。チェックアウトのあとも、ラウンジは使えます。12時に部屋を出てから、帰りの列車までの時間を、ここで湾を見ながら過ごせるということです。これは本当にありがたかった。

そして、ここが面白いところです。

ラウンジに「関の戸」が置いてあります。和三盆とお茶の香の2種類。亀山の銘菓で、売店では1箱650円で売っているものです。

ゲストラウンジに置かれた関の戸とあられ
ラウンジの「関の戸」。売店では1箱650円です

つまりラウンジで食べて、気に入ったら歩いて5分の売店で買える。夜のラウンジに出ていた「牛肉のしぐれ煮タルト」も、売店の松阪牛しぐれ煮とつながっていました。試食して、買って帰る。そういう作りになっています。

もうひとつ、正直に書いておきます。カントリーマアムとアポロチョコも置いてあります。市販のものです。ラグジュアリーホテルのラウンジとしては意外でした。

ただ、私は良いと思いました。子どもが手に取れるものが1つあるだけで、家族連れの滞在はずいぶん楽になります。全部を気取らせない設計に見えました。

⚠️ひとつ決まりごとがあります。カウンターに掲示が出ていました。「お飲み物・お菓子はラウンジ内にてお楽しみください」。部屋には持ち帰れません。

眺めは、庭園に出てからが本番

ひとつだけ、先に言っておきたいことがあります。

ラウンジの眺めは、座る席で変わります。最初に座った席は手前に木が多くて、公式サイトの「パノラマ」を思い浮かべていると少し違うなとなりました。反対側の席に移ったら、英虞湾が見えました。

入ったらまず、両側の窓を見てから席を決めてください。それだけで印象が変わります。

景色を見に来たなら、ラウンジから続いている屋上庭園に出てください。出た瞬間に別物になります。夕方に出たら、湾と空と夕日が全部 入っていました。G7伊勢志摩サミットで各国首脳が記念撮影をした場所も、この庭園の中にあります。芝生に説明板が立っていました。

英虞湾に沈む夕陽
9月22日 17時41分の英虞湾。山崎豊子が眺めたのと同じ湾の夕陽です

席に座ったまま「思ったほどじゃないな」で終わる人、けっこういるんじゃないでしょうか。ドアの外に出るだけなんですけどね。

部屋の中を、型番まで

泊まったのはスーペリアスイート キングの3007号室。ホテルの案内では全室スイートで100平米、コーナーの部屋だけ110平米とのことでした。

スーペリアスイート キングの寝室
スーペリアスイート キングのリビングと英虞湾の眺め
寝室とリビングが分かれています。リビングの窓の外が英虞湾

広さの話はここまでにします。私が見たかったのは、置いてあるものです。ラベルを片端から読みました。

もの 中身
ベッド シーリー(Sealy)PREMIUM SERIES。タグに「Manufactured by Sealy Japan CO.,LTD under licence of Sealy INC. U.S.A.MADE IN JAPAN
ドライヤー ReFa ビューテック ドライヤー(RE-AB02A・株式会社MTG)
アメニティ 浴室=MIKIMOTO COSMETICS「ムーンパール」(御木本製薬・三重県伊勢市・非売品)/洗面台=POLA「GACHI」(男性向け)/小袋の入浴剤と body towel
石鹸 ひのきの香りの無添加石鹸(ホテルのオリジナル)
カップ NIKKO ファインボーンチャイナ
コーヒー ネスプレッソ(カプセル6種)
テレビ リビング=ソニー KJ-55X8100(55型・Google TV)。寝室にもソニーが1台(型番は見ていません)
照明 弓なりのフロアランプが部屋の中央に。フロスの「アルコ」に見えました(表示は見当たらず)
音響 ヤマハ デジタルサウンドプロジェクター YSP-1100
空気清浄機 シャープの加湿空気清浄機が2台
Wi-Fi 実測36Mbps(ラウンジは34Mbps)。数字は出るのに動画は止まりました
浴室 TOTOのバスタブとウォシュレット。木の桶と風呂椅子つき

並べてみて、気づいたことがあります。手に取って使うものが、ほとんど日本の、それも近いところの製品でした。

客室のネスプレッソのマシン
客室のNIKKOのカップ
ネスプレッソと、NIKKOのカップ

ミキモトは三重の真珠です。ボトルの裏を読んだら「御木本製薬株式会社 三重県伊勢市黒瀬町1425」と印刷されていて、【非売品】の文字もありました。伊勢市は、ここ志摩の隣です。ノリタケとMTGは名古屋の会社。NIKKOは石川。ヤマハは静岡。ベッドのマットレスはシーリー——アメリカのブランドですが、シーツをめくって出てきたタグには「Sealy Japan が製造・MADE IN JAPAN」と書いてありました。冷蔵庫の中も、伊勢茶に和歌山県産のうんしゅうみかんジュース。

客室のミキモト コスメティックスのボトル
アメニティはミキモト コスメティックス

寝心地は、なかなか良かったです。硬すぎず、沈み込みすぎず。ただ、正直に書くと私が一番 好きなのは星のや東京の日本ベッドでした。あれは別格です。とはいえ、これは完全に好みの話です。

ベッドのシーリーのマットレス
マットレスはシーリーでした

手に取るもの、体が触れるもの。そこは全部 日本で作られていました。

ただし、部屋の真ん中に立っている照明はイタリアでした。弓なりのアームが部屋を横切って、デスクの上まで届いています。フロスの「アルコ」に見えました。1962年のイタリアのデザインです。ただしどこにも表示は見当たらなかったので、そっくりな別のものかもしれません。冷蔵庫のワインも南フランスのものでした。

使うものは近いところから、空間を作るものは世界から。そう並べてあるように見えました。私は愛知に住んでいるので、ノリタケのスプーンを持ったときに、ちょっとにやっとしました。

加湿つきの空気清浄機が2台というのも、100平米だと納得です。冬に来る人には効くはずです。

客室の加湿つき空気清浄機
客室のYAMAHAのサウンドプロジェクター
加湿つきの空気清浄機と、テレビの下のYAMAHA

もうひとつ、お金の話をしておきます。この冷蔵庫の中は、全部 無料でした。

開けると、上の段にヱビスの350ml缶が2本。下の段に伊勢茶のペットボトルが2本。ドアのポケットにワインが赤と白で1本ずつ、それと和歌山県産のうんしゅうみかんジュースの缶が2本。ワインはレ・オルム・ド・カンブラスという南フランスのもので、カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネの2024年、どちらも375mlのハーフボトルです。ミネラルウォーターは別に4本ありました。

客室の冷蔵庫に入っているヱビスと伊勢茶
冷蔵庫の中身は全部 無料でした

ハーフボトルというのが、よく出来ていると思いました。1人でも飲み切れますし、2人なら赤と白を1本ずつ開けて、ちょうどいい量です。

ただ、飲んだあとに補充されるかは確かめていません。2泊する人は、そこだけフロントで聞いてください。

そのうえで、使いにくかったものを1つ。洗面所の水栓レバーです。

見た目は綺麗です。綺麗なんですが、お湯と水のどちらに倒しているのかが分かりにくい。表示が控えめすぎて、寝起きの頭だと何度か間違えます。

置いてあるものの選び方には文句のつけようがないのに、毎日 触るところでつまずく。おしゃれに寄せすぎたんだと思います。私だけかもしれませんけど。

もう1つ、知らないと私と同じことをする話を。浴室からテラスに出られます。

これは珍しい間取りだと思います。ただ、網戸がありません。私は開けたままにしていて、蚊と蛾を部屋に入れました。

9月の賢島は水辺です。虫がいるのは当たり前で、悪いのは開けっ放しにした私のほうです。風を通したいなら、出入りするときだけ開ける。それだけの話ですが、書いておきます。

大浴場|行き方が分かりにくい。サウナは本気

ザ ベイスイートには宿泊者専用の大浴場があります。朝7時から夜11時まで

ザ ベイスイート 館内図2026年9月・エレベーターの案内表示より5レストラン ラ・メール/バー ル・ファールゲストラウンジ/屋上庭園 Sunset Garden4和食「浜木綿」客室3小宴会場客室2eau SPA(14:30〜23:00)/客室スパ&サウナ通路 ←ここから大浴場へ1コンシェルジュ・ラウンジ/客室ベイスイート ブティック(営業休止中)連絡通路を渡る階段を下りる大浴場・サウナ 7:00〜23:00通路の先、階段を下りた1階。案内表示には出てきません※ 大浴場は宿泊者専用。タオルは置いてあるので手ぶらで行けます※ 水風呂はありません。洗い場は個室が4つ
エレベーターの案内表示(2026年9月に確認)をもとに作成。大浴場は表示に出てこないので、2階の通路から向かいます。

まず、行き方でつまずきました。エレベーターの表示は「2階 スパ&サウナ通路」。2階で降りて、連絡通路を歩いた先に階段があって、そこを下りた1階が浴場です。表示にある2階は通路のことで、風呂は1階。初日は少し迷います。

手ぶらで行けます。バスタオル、ミニタオル、それに使い捨てのボディタオルまで置いてありました。部屋から持ち出すものはありません。

ひとつ困ったのがゴミ箱。見つけられたのは脱衣所だけでした。使い捨てのものを持ったまま歩くことになるので、捨てる場所は先に見ておくといいです。

洗い場は4つ。ただし開け方に注意

公式サイトには「個室に仕切られたシャワールーム」と書いてあります。実物は個室が4つ。扉を開けて入る作りです。

これが曲者で、外からは中に人がいるかどうか分かりません。勢いよく開けると事故になります。そっと開けるか、一声かけるか。私は何も知らずに1つ目を開けかけました。

個室にはレインシャワーも付いています。そして、ここでも水栓でつまずきました。一番 奥のブースは、レバーの表示が剥げていて、温度を動かしているのか水量を動かしているのか分かりません。

客室の洗面でも同じことを思いました。このホテル、水栓の表示だけは弱いです。器はノリタケなのに。

サウナは乾式。設定5段階の5で、体感100度

サウナは乾式。セルフロウリュはありません。設定は5段階で、その日は一番 上の5。体感で100度はあったと思います。座って、すぐ汗が出ました。

広さは、タオルが4人分 敷いてあります。ただし2段しかないので、実質2人という感覚です。

そして水風呂はありません。内風呂だけ。サウナを目当てに来る人は、ここを知っておいたほうがいいです。

サウナの外には、ととのい用の椅子が2脚。飲み水も用意されていて、ペットボトルが氷に浸けてあって、しっかり冷えています。

椅子はある。水は冷えている。それなのに水風呂だけが無い。あと一歩でした。

風呂上がり

  • マッサージチェアが2台
  • ドライヤーはReFa(客室のものとは別のモデル)。使い捨ての櫛あり
  • 髪を乾かす場所は2ブース。椅子はありません。立って乾かします
  • 肌のクリーム、スカルプケア、スタイリングローション、フェイスケアはポーラ

22時頃に入って、ほかに3人。男性側は混んでいませんでした。

ただし女性側は混み合うようです。21時頃は1人だったのが、そのあと人が増えて、髪を乾かしきれずに部屋へ戻ることになりました。乾かす場所が2ブースしかないので、人が重なると詰まります。

客室のドライヤーもReFaです。髪は部屋で乾かす前提で行くほうが、待たずに済みます。

通路に、2つのトロフィーがある

大浴場へ向かう通路に、ガラスケースが置いてあります。中に入っていたのはWorld Luxury Spa Awardsのトロフィーが2つ。

台座のプレートには2018年と2019年、部門はBest Luxury Historical Hotel SpaContinent Winner(アジア)と刻んでありました。2年続けての受賞です。

おもしろいのは受賞者の名前で、eau spa by CLARINSと入っています。いま配られているスパのメニューには別のブランドが載っていたので、組む相手が変わったんだと思います。トロフィーだけが当時の名前のまま、通路に残っている。

ちなみにオー・スパは2階で、大浴場は1階。施術を受けるほうは14時30分から23時までです。同じ「スパ」でも別物なので、そこだけ混ざらないように。

結論。部屋の風呂でもいい

設備は整っています。サウナの熱もしっかりしている。それでも正直に書くと、部屋の風呂で足りるとも思いました。

客室にはTOTOのバスタブと、木の桶と風呂椅子があって、窓の外は英虞湾。連絡通路を歩いて階段を下りる手間をかけるかどうかは、サウナに入りたいかどうかで決まります。水風呂が無いと分かった時点で、私の中では半分 決まっていました。

窓に面した客室のバスタブ
客室のバスタブ。窓の外は森と湾です

テレビでYouTubeが見られる。そして帰る前にやること

この部屋はリビングと寝室が分かれていて、テレビが2台あります。リビングのほうがソニーの KJ-55X8100、55型です。寝室にもソニーが1台ありました(こちらは型番を見ていません)。

リモコンにhulu、NETFLIX、U-NEXT、TSUTAYA、YouTube、AbemaTVの直結ボタンが並んでいて、Googleアシスタントのボタンもついています。Google TVを積んだブラビアです。

客室テレビのホーム画面に並ぶ配信アプリ
テレビのホーム画面。NETFLIX、YouTube、U-NEXT、hulu、ABEMAが並びます

ここで、数字と体感が合わなかった話を1つ。

客室のWi-Fiを測ったら36Mbpsでした。動画の4K配信は推奨25Mbps前後なので、数字の上では足りています。ところが実際には動画が見られませんでした

速度計の数字が出ていても、遅延が大きかったり、時間帯で落ち込んだり、同時につながっている人数で詰まったりすると、こうなります。「Wi-Fi完備」も、測った数字も、あてになりません。結局その場で繋いでみるまで分からない。

仕事を持ち込む予定なら、通信手段は自分で用意しておいたほうが安全です。私は測って安心して、そのあとで裏切られました。

ホテルのテレビといえば地上波と館内案内、という思い込みがありました。雨の日、子連れ、連泊。あると助かる場面はいくらでもあります。スマホから画面を飛ばすこともできました。

ここで1つ、注意を。

自分のアカウントでログインしたら、チェックアウト前に必ずログアウトしてください。ホテルのテレビにNetflixのアカウントが残ったまま、という事故は実際に起きています。

面倒なら、スマホから飛ばすだけにする。この方法ならログインが要りません。一番 安全で、一番 速い。

楽しむ話の最後が注意喚起になってしまいました。でも、これ書いておかないと誰かがやります。私もやりかけました。

館内の過ごし方|見学ツアー、星空観察会、湾のクルーズ

チェックインのときにもらった案内には載っていなくて、館内に置かれた看板で初めて知りました。このホテル、毎日 何かやっています。

9月の館内アクティビティ情報の案内板
9月の館内アクティビティ。ツアー、クルーズ、星空観察会、ヨガの日程が1枚にまとまっています
時間・場所 料金
館内見学ツアー 毎日 9:00〜9:40/ザ クラブ 2F 集合/予約不要 無料
英虞湾周遊「ラウンジクルーズ志摩」 約45分/8:00・10:00・11:15・13:45・15:00/ザ クラシック 1Fロビー集合/予約制 3,800円
星空観察会 20:30〜21:00/21:00〜21:30/ザ クラブ 2F ウッドデッキ/予約不要 無料
ガーデンプール 9:30〜17:30/夏の期間だけ(2026年は7月17日〜9月24日) 無料
プレイピアノ 10:00〜17:30/ザ クラシック 宴会棟 1Fロビー/予約不要・おひとり様10分まで 無料
卓球ルーム 9:00〜21:00/ザ クラブ 1F/フロントで受付・完全入替制 1時間3,000円
星座盤の貸出 フロントへ 無料
リラクゼーションヨガ/リラックスストレッチ 7:00〜8:15/ザ クラシック 2F フィットネスジム/予約制 無料
館内の「9月 館内アクティビティ情報」より。全て宿泊者限定。開催日は日によって違うので、看板かフロントで当日の予定を確認してください。

無料のものが4つあります。館内見学ツアーは予約も要りません。朝9時にザ クラブの2階へ行くだけ。

参加してみて、先に知っておくとよいことが2つありました。

①展示物は、全て写真を撮ってかまいません。最初に案内があります。ただし他のお客様への配慮は必要です。

②ツアーは、ベイスイート館へは行きません。回るのはザ クラブとザ クラシック、それに庭園です。ベイスイートに泊まっている人は、集合場所のザ クラブまで歩いて5分です。私の日は雨だったので、フロントにお願いして往復とも車で送ってもらいました。朝食を7時台に済ませておくのは、そのためでもありました。

意外だったのがガーデンプールです。大人用が24.5メートル×10メートル、横に滑り台つきの子ども用プール。更衣室にもタオルにも浮き輪にもお金がかからず、プールサイドには水とお茶とソフトドリンクが置いてあります。

ガーデンプールへの行き方を示す案内
ガーデンプールへの案内。行き方はザ クラブ2階の庭園出入口からです

案内の紙に、効く一行がありました。「チェックイン前・チェックアウト後でもご利用いただけます」。早く着いてしまった日も、帰る日の午前も使えます。それと水着でなくても入れると書いてあるので、見るだけでも問題ありません。

夏の期間だけの営業で、2026年は7月17日から9月24日まででした。ゴーグルやビーチサンダルはザ クラシック1階の売店で売っています。

そしてホテル自前のクルーズがあります。英虞湾を45分まわって3,800円。賢島駅のすぐそばから出ている遊覧船(大人1,900円)とは別物です。

ピアノが、弾けます

これは帰る日の朝に、ベイスイートの1階で見つけました。デジタルサイネージが出ていて、「音楽を愉しむ”志摩時間” プレイピアノ」と書いてあります。

ザ ベイスイート1階のピアノの案内
ピアノの案内。宿泊者が自分で弾けます
  • 10:00〜17:30
  • おひとり様10分まで・予約不要
  • 場所は「ザ クラシック 宴会棟」の1Fロビー
  • ピアノはヤマハのグランドピアノ

聴くのではありません。宿泊者が、自分で弾いていいピアノです。予約も要りません。10分あれば1曲は弾けます。

面白いのは置き場所です。この案内はベイスイートの1階に出ていて、ピアノ自体はクラシック側にあります。ホテルのほうから「歩いておいで」と言われている形です。

弾ける人なら、これは相当 贅沢な10分だと思います。私は弾けないので、椅子を見て帰りました。

卓球ルームはザ クラブの1階。1時間3,000円で、プロ選手モデルのラケットから選べるそうです。完全入替制なので、他の客と鉢合わせません。

卓球ルームの案内
卓球ルームの案内

私は星空観察会を逃しました。ラウンジに入り浸っていたら20時30分を過ぎていて、気づいたときには遅かった。無料なのに。

ただ、あとで部屋のバルコニーから空を見たら、月が雲に隠れていました。その夜は行っても見えなかったようです。雨のときは室内で「星空解説会」に切り替わると掲示に出ていましたが、曇りの扱いまでは分かりません。

ベイスイートの部屋にはバルコニーがあります。出てみて、星が出ていたらウッドデッキへ。それが一番 確実だと思います。逃した人間が言うことではないですけど。

朝食は4階の「浜木綿」と、5階の「ラ・メール」から選ぶ

チェックインのときに朝食券を渡されます。券面に会場と時間が書いてありました。

  • 5F フレンチレストラン「ラ・メール」
  • 4F 和食「浜木綿」
  • 7:00〜10:30(ラストオーダー10:00)
  • 1枚で1名、当日のみ有効

券にはSmall Luxury Hotels of the Worldのロゴが入っていました。SLH経由で取った予約だと、券の段階でそれが分かる作りです。

SLHのロゴが入った朝食券
朝食券。和食の浜木綿か、フレンチのラ・メールか、どちらかに印を付けます

注意したいのはラストオーダーが10時というところ。営業は10時30分までですが、入るのは10時まで。朝の館内見学ツアーが9時からなので、7時台に入っておくと余裕があります。8時に入ると、40分で食べて集合することになります。

どちらを選ぶか。志摩まで来て和食を選ばない理由が、私には思いつきませんでした。和食の「浜木綿」に入りました。

🚨 先に|ベイスイートのレストランは、未就学児は入れません

入口に掲示が出ています。逐語で書きます。

〜 上質な空間をお楽しみいただくために 〜
ご利用は小学生以上とさせていただきます。
Tシャツ・ショートパンツ・サンダルなどはご遠慮ください。
ドレスコード:スマートカジュアル

これはザ ベイスイートのレストランについての掲示です。小さいお子さん連れの方は、予約の前にここを確認してください。知らずに来ると、朝ごはんの場所から考え直すことになります。

服装のほうも、スマートカジュアルと書いてあります。私はシャツで行きました。

ただ、正直に書きます。掲示ほど厳しくはありませんでした。近くの席に、短パンの方がいらっしゃいました。入口で止められている様子もありません。常連の方だったのかもしれませんし、朝食は少し緩いのかもしれません。そこは外からは分かりません。

そのうえで、私の考えを書いておきます。合わせて行ったほうが、こちらが気持ちよく過ごせます。

止められるかどうかの話ではなく、書いてある場所に、書いてあるとおりの格好で入ると、自分の背筋が伸びるという話です。そういう朝の30分を買いに来ているのだと思っています。部屋着のままで行ける宿は、よそにいくらでもあります。

7時5分に入って、8時でも3組しかいませんでした

ここが一番 驚いたところです。

7時5分に入りました。ガラガラです。そのまま座っていて、8時になっても3組。全室スイートの宿なので、そもそも部屋数が多くありません。朝食で待つ、という心配はしなくてよさそうです。

和食 浜木綿の入口
4階の和食「浜木綿」

そしてもう1つ。座ってから5分以内に、膳がまるごと出てきます。膳なので、作ってから運ぶのではなく、できているものが来る。ビュッフェのように取りに行く時間も要りません。9時の館内見学ツアーに出るつもりなら、7時台に入れば完全に間に合います。

実際の所要時間も書いておきます。7時5分に入って、出たのが8時6分。ちょうど1時間でした。ゆっくり食べて、おかわりもして、この時間です。急かされる感じは一切ありませんでした。

「志摩の朝餉膳」の中身|6,000円と書いてありました

お品書きに値段が入っています。6,000円(消費税と15%のサービス料込み)。宿泊に朝食が付いている人は、この金額分を食べていることになります。

中身はこうでした。

  • 三点箱盛り=伊勢志摩産の鹿尾菜(ひじき)煮真珠貝柱の胡麻酢和え/伊勢どりの野菜浸し/胡麻豆腐にいくら/山芋とろろ/焚合せ
  • ちりめんじゃこ煮・唐辛子味噌・梅干し(木の箱に入って出てきます)
  • 御飯(6種類から1つ選ぶ・後述)
  • 焼魚=三重県産の干物。この日はかますでした。出汁巻玉子が添えられています
  • 味噌汁/香の物/焼き海苔または伊勢のり佃煮/水菓子(果物にヨーグルト)
  • ジュースは富士りんごでした

真珠貝の貝柱が朝から出てくるのは、真珠の産地らしいところです。ひじきも伊勢志摩産、鶏も伊勢どり。部屋のアメニティと同じで、産地が近い。ここまで揃っていると、狙ってやっているのが分かります。

志摩の朝餉膳
「志摩の朝餉膳」。焼き魚、だし巻き、小鉢、木箱の海苔

御飯が6種類から選べます。ここが一番 面白い

これは、よそであまり見ません。

  1. 白御飯(米は鈴鹿の「結びの神」)
  2. もち麦御飯
  3. 白粥
  4. 海の七草粥
  5. もずく粥
  6. 薬膳粥(おくら・くこの実・松の実・白木耳)

粥が4種類もあります。薬膳粥は土鍋で出てきて、薬味が4つ 別皿で付きます。白木耳、くこの実、松の実、そして青いペースト。自分でかけて食べる形です。

土鍋で出てくる薬膳粥と小鉢
薬膳粥は土鍋で出てきます

そして「海の七草粥」には、塩味が付いていません。これは係の方に教えてもらいました。薬味をかけて、自分で味を作るのだそうです。知らずに一口目を食べると「味がない」と思います。頼むなら、先に知っておいたほうがいいところでした。

そして、ここが一番 得だと思ったところです。

御飯と味噌汁はおかわりできます。しかも、種類を変えて頼めます。

私は白御飯を食べたあとに、薬膳粥を出してもらいました。「1つ選んでください」と書いてありますが、それは最初の1杯の話で、そのあとは別のものを頼めます。

つまり理論上は、6種類を全部 試せます。入るなら、ですが。

現実には、膳のほうがしっかりあるので2つが限度だと思います。私も2つで満腹でした。それでも「白御飯と、薬膳粥を少し」ができるだけで、この朝食はずいぶん違って見えます。迷ったら、まず白御飯。鈴鹿の「結びの神」を先に味わってから、粥を頼むのがおすすめです。

ひとつだけ、惜しかったこと

褒めてばかりでは公平ではないので、気になったことも書きます。

湯飲みが、上から指で挟んで運ばれてきました。縁のところ——こちらが口をつける場所です。

小さいことです。膳の中身にも、味にも、間の取り方にも、文句のつけようがありませんでした。だからこそ、ここだけが引っかかりました。

売る側に20年いた人間の癖かもしれません。ただ、サービス料込みで6,000円の朝食なら、運び方まで含めて商品だと思っています。持ち手のない湯飲みは運びにくい。それは分かります。分かったうえで、そこに手が要る。

責めたいのではありません。ここが揃えば、この朝食はもっと良くなるという話です。私はまた来ますし、そのときにこの一行が古くなっていたら、うれしく思います。

なぜかWi-Fiが速い

客室で測ったときは36Mbpsで、数字は出るのに動画が止まりました。浜木綿で測ったら130Mbpsです。

同じ建物の、4階と客室階の違いだけで、3倍以上 違いました。「このホテルはWi-Fiが遅い」ではなく、場所によって全然 違うというのが正確なところです。仕事を持ち込む人は、部屋より4階のレストランのほうが速いかもしれません(ラウンジは34Mbpsで、客室と変わりませんでした)。

家族で来るなら、考え直したほうがいいかもしれません

膳は、出てくるものが決まっています。大人には気持ちのいい形ですが、家族で来て、それぞれ食べたいものが違うなら、選べるほうが向いています。

そして前に書いたとおり、ベイスイートのレストランは小学生以上です。ただしあの掲示は「ベイスイートについて」のものでした。クラシック側には小さいお子さん連れの姿もあります(3館の章に書きました)。小さいお子さんがいる家族は、建物ごと変えて考えるのが早いです。

お土産は、ベイスイートでは買えません

ここは、知らないと帰る日に困ります。

ベイスイートの売店は閉まっています。買えるのはザ クラシックの「THE CLASSIC SHOP」です。ベイスイートからクラシックまでは歩いて5分。近くはありません。

だからお土産は、帰る日の朝ではなく前の日に買っておく。これだけ覚えて帰ってください。チェックアウトの朝に思い出すと、荷物を持ったまま5分 歩くことになります。

棚を端から見てきました。値段は2026年9月に私が見たもので、変わることがあります。

ザ クラシック1階のTHE CLASSIC SHOPの入口
THE CLASSIC SHOPの菓子の棚
ザ クラシック1階の「THE CLASSIC SHOP」。ベイスイートから歩いて5分です
もの 値段(税込) ひとこと
真珠のゼリー・飴 パールジュレ 650円/パールドロップ 540円 真珠の粉を使った菓子。ホワイトパールのチャームが付く
関の戸(深川屋) 和三盆・黒糖・お茶の香 各650円/2種セット 1,300円 亀山の銘菓。伊勢茶の味がある
神宮白石クッキー 1,560円 箱の色が6種類ある。渡す相手で選べる
ホテルの日本酒「志摩」 7,000円 志摩観光ホテルのオリジナル。ここでしか買えない
三重の地酒 作 穂乃智 2,990円/半蔵 神の穂 2,990円/瀧自慢 3,520円/吟醸 おかげさま 2,380円 「おかげさま」はIWC2024のトロフィーと金賞の札が立っていた
地酒の詰め合わせ 三重の地酒セット 3,780円 小瓶が3本。持ち帰りやすい
伊勢志摩ビール 3本セット 1,400円 神楽麦酒とピルスナー
伊勢茶 ティーバッグ 各330円/5種セット 870円/ペットボトル 200円 ミジュマル(みえ応援ポケモン)の袋。子ども向けに強い
おにぎりせんべい 1,000円 ミジュマルの箱。三重ののりしお風味
伊勢志摩サイダー ゆず味 340円
松阪牛しぐれ煮 1,410円 牛肉貝新の佃煮も1,080円から並ぶ

1つだけ選ぶなら、ホテルのオリジナルの日本酒「志摩」7,000円です。よそでは買えません。値段は張りますが、お土産というより記念品です。

THE CLASSIC SHOPの三重の地酒の棚
THE CLASSIC SHOPの地酒の棚

配る分なら、関の戸の650円が扱いやすいと思いました。和三盆・黒糖・お茶の香と味が3つあって、箱も小さい。

意外だったのがミジュマルです。三重の応援ポケモンだそうで、伊勢茶のティーバッグにもおにぎりせんべいの箱にも顔が付いています。330円から買えるので、子どもがいる家にはこれが一番 喜ばれるかもしれません。

お酒の棚には「これはお酒です」の赤い札が立っていて、年齢の確認ができない場合は売らないと書いてありました。当たり前のことですが、書いてあるところが真面目だなと思いました。

店は3つ。時間はこうでした

ザ クラシックのフロア案内
ザ クラシックのフロア案内。1階にショップ、2階にブティックとミキモト
場所 時間
ザ クラシック ショップ ザ クラシック 1F 8:00〜20:00
ザ ベイスイート ブティック ザ ベイスイート 1F 9:00〜12:30/15:30〜18:00
※ただし下記
ザ クラシック ブティック ザ クラシック 2F 9:00〜18:30
ミキモト ザ クラシック 2F 9:00〜18:30
オー・スパ ショップ ザ ベイスイート 2F 14:30〜23:00

ザ クラシック ショップは朝8時から夜8時まで。ここが一番 長く開いています。朝食のあとでも、夕食のあとでも寄れます。

💍 ミキモトの店が、館内にあります

ザ クラシックの2階にミキモトが入っています。真珠のミキモトです。9:00〜18:30。

ここで、部屋の話とつながります。ベイスイートの浴室に置いてあるシャンプーはMIKIMOTO COSMETICSで、ボトルの裏には「御木本製薬株式会社 三重県伊勢市黒瀬町1425」と印刷されていました。アメニティで触れたブランドの実物が、歩いて5分のところで売っているという構図です。

英虞湾は、真珠の養殖が始まった場所です。窓から見えている湾と、ショーケースの中身がつながっている。ここが、よその高級ホテルとは違うところだと思いました。

⚠️ひとつ注意を。店内は撮影できません。入口に「店内での写真、動画撮影はご遠慮いただいております」の掲示が出ています。見るだけにしてください。

すぐ隣がザ クラシック ブティック(同じ2階・9:00〜18:30)です。こちらは食器や雑貨が中心でした。

🚨 紙に書いてある時間を、そのまま信じないでください

ここが、今回 一番 引っかかったところです。

館内のパンフレットには、ザ ベイスイート ブティックの営業時間がちゃんと載っています。9:00〜12:30と15:30〜18:00。読めば「開いている」と思います。

ところが、店の前に別の掲示が出ていました。

ザ ベイスイート ブティック 営業休止のお知らせ
(中略)ザ ベイスイート ブティックは、当面の間、営業を休止させていただきます。
<営業休止期間>2026年2月18日(水)より当面の間

紙のほうが古いままでした。パンフレットも、ネットに出ている情報も、こういうことがあります。

だから結論は同じところに戻ります。買うなら、ザ クラシックまで歩く。朝8時から開いているので、チェックアウトの前でも間に合います。ただし5分 歩くことは変わりません。

🥐 パンは、朝8時半に出てきます

これは行ってみて初めて知りました。ザ クラシック側に、焼きたてのパンが並びます。

THE CLASSIC SHOPに並ぶ焼きたてのパン
THE CLASSIC SHOPのパン。朝8時半に並びます

時間が大事です。ショップは8時から開いていますが、パンが出てくるのは8時半ちょうどでした。8時に行くと、まだ並んでいません。

パン 値段(税込)
メロンパン 250円
クロワッサン 280円
あんぱん 280円
シナモンデニッシュ 350円
パン オ ショコラ 350円
カレーパン 380円
マロンデニッシュ 500円

1つずつ袋に入っていて、値札にアレルギーの表示(小麦・卵・乳)が付いています。250円から500円。ホテルの中だからといって、特別に高いわけではありません。

使い道は2つ 思いつきました。帰りの近鉄の中で食べるか、家に持って帰るか。賢島から名古屋まで2時間あるので、前者は現実的です。

ただし8時半です。チェックアウトが早い人は、間に合いません。パンを買って帰るつもりなら、その時間を逆算して動いてください。

なお、オー・スパのショップは2階で14:30〜23:00です。こちらは化粧品などが中心で、食べ物のお土産はクラシックのほうです。

🏪 賢島駅前のファミリーマートで買えるもの

帰りの電車の前に、賢島駅前のファミリーマートにも寄りました。土産の棚が、ひとかたまりあります。値札で見た値段(税込)はこうでした。

  • 太閤出世餅=12個入 1,500円/8個入 1,100円
  • 伊勢あんもなか=1,490円/伊勢の栗よせ 6個入り=864円
  • 黄金伊勢海老せんべい=1,306円/伊勢海老御焦せんべい=1,188円
  • 三重限定のベビースター 伊勢うどん味=430円
  • 志摩の地ビール「SHIMA BREWERY」=1缶 660円/3缶セット 2,050円
  • 松阪牛ビーフシチュー=1,080円/あおさのアヒージョ=864円
  • 真珠の粉を使った飴「PEARL DROPS」=540円
  • つぼやき=1,512円/あわびごはんの素(小)=900円
賢島駅前のファミリーマートの伊勢の和菓子の棚
太閤出世餅の棚
黄金伊勢海老せんべい
三重限定ベビースター伊勢うどん味と近鉄特急のグッズ
伊勢の定番の菓子と、三重限定のベビースター。右には、しまかぜ・ひのとりのタオルもありました
志摩の地ビールと三重の酒、真珠の化粧品の棚
伊勢奉祝えびせんべいと真珠の飴
松阪牛のビーフシチューやしぐれ煮の棚
つぼやきとあわびごはんの素
地ビールと真珠の品、松阪牛、あわびごはんの素
伊勢海老御焦せんべい
伊勢志摩のあんバターリーフパイ
えびせんべいと、新しく出たあんバターのリーフパイ

配る用の菓子なら、ここで十分そろいます。荷物を増やさずに、帰りの電車の前に買えるのは助かります。

ただ、並んでいるのは伊勢志摩の定番の土産です。ホテルの日本酒「志摩」や焼きたてのパンのようなホテルのオリジナルは、私が見た棚にはありませんでした。ホテルの品は、ホテルの売店で買っておいてください。

いつ泊まるといくらか|同じ部屋が74,137円から203,846円まで動きます

予約の前に、これだけは見ておいたほうがいいという話をします。

私が泊まったのと同じスーペリアスイート キング同じ大人2名同じ朝食つきで、日付だけ変えて一休.comの空室カレンダーを並べました。結果がこれです。

一休.comの空室カレンダーの画面
一休.comの空室カレンダー。日ごとに値段が出ます(2026年9月23日の画面)
平日 土曜 目立つ日
2026年9月下旬 101,435円 129,104円(26日) 74,137円(29日・30日)=一番 安い
2026年10月 106,972円 162,326〜176,160円 203,846円(10日)=3連休の初日
2026年11月 106,972〜115,270円 134,640〜176,160円 189,995円(21日)=3連休の初日/97,907円(23日・29日・30日)
2026年12月 100,998円 136,698円 203,103円(26〜28日)/29〜31日は空室なし

2026年9月23日 朝の一休.com空室カレンダー/スーペリアスイート キング・大人2名1泊・朝食つき・税込・一休のポイント利用込み。価格は毎日 動きます。

読み取れたこと4つ

①平日は10万円前後で、ほぼ動きません。10月も11月も106,972円、12月は100,998円。月が変わっても大差ありません。

②土曜は平日の1.3〜1.9倍になります。ここが一番 大きい差です。

③跳ねる日には、はっきりした理由があります。10月10日の203,846円は10月12日がスポーツの日の3連休、11月21日の189,995円は11月23日の3連休。連休の初日が一番 高いという、分かりやすい形でした。

④年末は別枠です。12月26日から28日が203,103円で、29日から31日は空室なし。大晦日に泊まりたいなら、カレンダーを見て動く話ではありません。相当 前から押さえる必要があります。

2日ずらすと、10万円 変わります

一番 実用的なのは、ここです。

  • 10月10日(土)203,846円 → 10月8日(木)106,972円。2日ずらして約9万7千円
  • 12月26日(土)203,103円 → 12月24日(木)100,998円。2日ずらして約10万2千円

同じ部屋です。設備も朝食も、出てくるものは変わりません。変わるのは曜日だけで、10万円です。

志摩は「連休に行く場所」だと思われています。でも英虞湾の夕陽は、火曜日でも同じように沈みます。日程を動かせる人にとって、ここは相当 お得な宿になります。

逆に、日程が動かせないなら——早めに押さえるしかありません。空室なしの日が、思ったより多くありました。

行く日が決まっていないなら、先にカレンダーを見てから決めたほうが早いです。月ごとに眺めると、安い日が固まっているのが分かります。

一休.comでベイスイートの空室を見る

※広告を含みます。価格と空室は一休.comの画面でご確認ください。

105,000ポイントは、何円だったのか

ここは計算の章です。

志摩観光ホテル ザ ベイスイートはSmall Luxury Hotels of the Worldの加盟ホテルなので、ヒルトン・オナーズのポイントで泊まれます。今回 使ったのは105,000ポイント。部屋はスーペリアスイート キングでした。

では、そのポイントは何円分だったのか。ポイント数だけ書いてある記事はよく見ますが、同じ部屋を現金で買ったらいくらかまで並べたものを見たことがありません。分母がないと価値が出せません。

そこで、同じスーペリアスイート キングの価格を調べました。一休.comの表示で、9月26日(土)の朝食つき129,104円(割引適用後)。土曜なので、平日(101,435円)より高い日です。

使ったポイント 105,000ポイント
同じ部屋の現金価格 129,104円
1ポイントの価値 1.23円
価格は一休.comの表示で確認したものです。日によって動くので、目安として見てください。

ヒルトンのポイントは1ポイント0.5円から0.6円くらいで使われることが多いと言われています。その倍。悪くない使い方でした。

ポイントだけではありません。ヒルトン アメックスの無料宿泊特典も、この宿で使えます。ヒルトン公式の「SLHに関するよくあるご質問」に、アメリカン・エキスプレスのヒルトン無料宿泊特典は参加しているSLHホテルで交換できる、と書いてあります。空きがあれば、土曜の20万円の日に1枚を当てることもできます(上の価格の章)。ポイントより、こちらのほうが効く使い方かもしれません。

ポイントを持っていない人のために書いておくと、現金で泊まる場合の価格は、上の価格の章に4か月分を載せました。

ポイントが貯まっているなら、SLHは選択肢に入れてみてください。ヒルトンの看板がついた建物とは、出てくる景色がまるで違います。同じポイントで、ミキモトのアメニティと和食の朝食が出てくるとは思っていませんでした。

ヒルトンのポイントで泊まれる日本のSLHは13軒あります。必要ポイントの動き方と、私が泊まった宿の本音は日本のSLHホテル全一覧にまとめています。

よくある質問

クラシックとベイスイートの違いは何ですか?

値段がおよそ倍 違います(一休.comの表示で、平日はザ クラシックが3万7千円台から、ザ ベイスイートが8万4千円台から)。ベイスイートは全室スイートで、宿泊者専用の大浴場とサウナがあり、チェックイン15時・チェックアウト12時。クラシックはチェックイン14時・チェックアウト11時で、サミットの円卓や山崎豊子の机などの展示と売店はこちら側にあります。ゲストラウンジは、どちらに泊まっても両方 使えます。

志摩観光ホテルのラウンジは無料ですか?

ゲストラウンジは宿泊者なら追加料金なしで使えます。朝7時から夜10時まで。セルフサービスで、時間帯によって出るものが変わります。17時30分からのバータイムにはワインやウイスキーも並びます。ただし飲食物・書籍・CDの持ち出しは断られているので、部屋へ持ち帰ることはできません。チェックアウトのあとも使えました(2026年9月)。

チェックインとチェックアウトは何時ですか?

ザ ベイスイートはチェックイン15時、チェックアウト12時。ザ クラシックはチェックイン14時、チェックアウト11時です。同じ志摩観光ホテルでも、泊まる館によって1時間 違います。予約したのがどちらの館かを確かめてから、当日の予定を組んでください。

大浴場は何時から何時までですか?

朝7時から夜11時まで、宿泊者専用です。バスタオル、ミニタオル、使い捨てのボディタオルが置いてあるので手ぶらで行けます。乾式サウナはありますが水風呂はありません。髪を乾かす場所が2ブースしかないので、混む時間に当たると待つことになります。

スパの料金はいくらですか?

オー・スパの施術は、フェイシャルが60分23,000円から90分35,000円まで。ボディが60分23,000円、ヘッドとショルダーが60分21,000円です(消費税込み・2026年9月時点)。場所はザ ベイスイートの2階で、受付は14時30分から23時まで。表示の時間には着替えとカウンセリングが含まれます。

お土産はどこで買えますか?

ザ ベイスイートのブティックは営業を休止していました(2026年9月時点)。スタッフからはザ クラシックの売店を案内されます。歩いて5分ほどです。なお同じベイスイートの2階にあるオー・スパのショップは営業していて、2,200円以上の買い物でアロマソルト入浴剤がもらえる特典チケットが部屋に入っていました。

賢島駅からホテルまで送迎はありますか?

あります。ただし公式の案内では、ザ ベイスイートの送迎は予約制です。前日までにホテル代表(0599-43-1211)かメールで到着時刻を伝え、当日なら賢島駅に着く前に当日専用送迎ダイヤル(0599-43-8714)へ連絡します。ザ クラシックは予約なしの無料シャトルバスで約2分。私の場合は車はアルファードで、駅に着いてから5分ほどで出発しました。荷物はスタッフが部屋まで運んでくれるので、手を触れずに済みます。

朝食は何時からですか?

朝7時から10時30分までで、ラストオーダーは10時です。会場は5階のフレンチレストラン「ラ・メール」と、4階の和食「浜木綿」から選べます。朝9時の館内見学ツアーに出るつもりなら、7時台に入っておくと慌てません。

ヒルトンのポイントで泊まれますか?

泊まれます。ザ ベイスイートはSmall Luxury Hotels of the Worldの加盟ホテルなので、ヒルトン・オナーズのポイントが使えます。スーペリアスイート キングで105,000ポイントでした。同じ部屋の現金価格が129,104円だったので、1ポイント1.23円で使えた計算になります。ヒルトン アメックスの無料宿泊特典も、ヒルトン公式の「SLHに関するよくあるご質問」で、参加しているSLHホテルで交換できると案内されています。

館内の見学ツアーは予約が要りますか?

要りません。毎日9時から9時40分まで、ザ クラブの2階に集合するだけです。料金も無料。ザ ベイスイートからは歩いて5分です。私の日は雨だったので、8時50分にフロントでお願いして往復とも車で送ってもらいました。星空観察会も予約不要で無料、20時30分からと21時からの2回に分かれています。

賢島駅の周りに何かありますか?

駅の2階に伊勢志摩サミット記念館「サミエール」があります。入館無料で、朝9時から夕方5時まで(年中無休)。首脳会議で使われた円卓と椅子の実物が置いてあり、日本の席には座って記念撮影ができます。2階へは階段なので、大きな荷物は駅のコインロッカーへ。併設のカフェは10時から16時(ラストオーダーはフード15時、ドリンク15時30分)。駅前にはファミリーマートがあって、伊勢志摩の定番の土産が買えます。駅から徒歩2分の賢島港からは英虞湾をまわる遊覧船が出ていて、約50分で大人1,900円です。

レストランに服装の決まりはありますか?

あります。ザ ベイスイートのレストランの入口に「ドレスコード:スマートカジュアル」「Tシャツ・ショートパンツ・サンダルなどはご遠慮ください」という掲示が出ていました。公式サイトでも、ラ・メールと浜木綿はスマートカジュアルと案内されています。あわせて、ベイスイートのレストランは小学生以上です。

ホテルから伊勢神宮へはどう行きますか?

内宮への直行バス「パールシャトル」が、ザ クラシックとザ ベイスイートの玄関前から出ています。事前予約制で、ホテル発は1日2便(ベイスイート発8時35分と11時10分)、内宮まで大人1,500円・子ども750円です。空席があれば当日も乗れます。志摩スペイン村と伊雑宮にも停まります(2026年9月時点の公式案内)。

まとめ|置いてあるだけで、説明しない宿

長くなりました。最後に、私が持って帰ったものを書きます。

この宿は、自分のことをほとんど説明しません。

1951年に建った建物だとも、村野藤吾の設計だとも、館内では大きく謳っていません。壁に藤田嗣治の《野遊び》が掛かっていても、公式サイトには一行も出ていません。建物に本真珠が5万3,000粒 入っていることも、エレベーターの手すりを握っているときには気づきませんでした。サミットの円卓が3台とも本物で、うち2台をホテルが買い取ったことも、朝9時のツアーに出なければ知らないままでした。

置いてある。でも、説明しない。

だから、知って行くかどうかで、同じ1泊がまったく別のものになります。

持って帰った3つ

①一番 大きいのは「歩く」ことでした。

ベイスイートに泊まると、歴史のほうへは自分で歩いて行くことになります。5分です。近くはありません。売店も、ミキモトも、藤田嗣治も、サミットの円卓も、全部そちら側です。私はラウンジに入り浸って、星空観察会を逃しました。時間は自分で作らないと、ここでは何も見ずに帰れてしまいます。

②値段は、行く日で決まります。

同じ部屋、同じ2名、同じ朝食つきで、74,137円から203,846円まで動きます。2.75倍です。10月10日の土曜を、2日ずらして10月8日の木曜にすれば、それだけで約9万7千円 違います。設備も朝食も、出てくるものは変わりません。変わるのは曜日だけです。

志摩は「連休に行く場所」だと思われています。でも英虞湾の夕陽は、火曜日でも同じように沈みます。

③ポイントは、高い日に当てて初めて効きます。

私が使った105,000ポイントは、その日の現金価格で割ると1ポイント1.23円でした。悪くありません。でも同じポイントを一番 安い日に使えば0.71円、一番 高い土曜に当てれば1.94円です。SLHが得なのではなく、日を選んだから得だった。ここは正直に書いておきます。

それでも、一番 覚えているのは

130年前、御木本幸吉がこの湾の隣の島で真珠の養殖に成功しました。真珠を運ぶために鉄道が通り、港ができ、無人島だった賢島に人が住みました。1946年に国立公園になり、洋風の宿が1つも無かったので、1951年にこのホテルが建ちました。

そして2016年、この湾で育った真珠が、世界7か国の首脳の襟につきました。

その湾を、私は2日間、ビールを飲みながら眺めていただけです。

窓の外にあるのは、景色ではなく、130年です。

行く人へ、5つだけ

  1. 駅の2階「サミエール」から始める。サミットの円卓の3台目があります。宿に入る前に見てください
  2. 1951年と村野藤吾だけ、頭に入れて行く。それだけで建物の見え方が変わります
  3. クラシック側へ行く時間を、最初から空けておく。歩いて5分です
  4. 朝のツアー(9時・無料・予約不要)には出る。集合場所が、すでにサミットの部屋です
  5. 日をずらせるなら、ずらす。10万円 変わります

私は、ほとんど知らずに行きました。だからこの記事を書いています。

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