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空室対策は管理会社で決まる|元営業が語る動かし方

空室対策は管理会社で決まる|物件力だけじゃない|元営業20年×大家10年が解説グルメ

※ 本記事は広告・プロモーションを含みます。

「リフォームもした。家賃も下げた。広告料(AD)も出した。それなのに空室が埋まらない」――もしあなたがそう感じているなら、原因は物件そのものではないかもしれません。

私は外資系カード会社を中心に営業を20年(うちカード営業10年以上)やり、いまは関東1棟・関西1棟を持つ大家を10年続けているFP2級です。「動いてもらう側(オーナー)」と「動かす側(営業)」の両方を経験してきました。その立場から言えるのは、空室がなかなか埋まらないオーナーと、同じ条件でもスッと決めてくるオーナーの差は、物件力ではなく「管理会社・仲介会社という”人”をどう動かしているか」でほぼ説明がつく、ということです。世の空室対策記事の多くが語る「リフォーム・家賃down・AD(広告料)」が物件・条件論なら、本記事は“人が動く・動かない”という関係性論で空室対策を解きほぐします。

結論|空室が埋まる/埋まらないを分けるもの

埋まらないオーナー=物件と条件だけをいじり、お金や対応の話を自分から切り出さない。管理会社に「気をつかわれて」後回しにされている。

早く決まるオーナー=報酬・柔軟対応・感謝を自分から先に提示し、管理会社が「気持ちよく動ける相手」になっている。

読み終えるころには、空室対策の打ち手が「物件をどういじるか」から「人にどう動いてもらうか」へと一段深まるはずです。

「物件力を上げろ」「ADを出せ」で本当に埋まるのか

空室対策と検索すると、出てくる打ち手はだいたい次の3つに集約されます。

  • リフォーム・リノベーション:内装を新しくして物件力を上げる
  • 家賃を下げる:相場より安くして競争力を持たせる
  • 広告料(AD)を出す:仲介会社へのインセンティブを増やす

どれも正攻法で、間違いではありません。空室対策のリノベーションや家賃設定の見直しは、たしかに反響を増やす効果があります。ただ、現場で何度も見てきたのは、この3つをすべてやっているのに、それでも決まらないオーナーがいるという事実です。新しい内装、相場より安い家賃、しっかり出した広告料。スペック上は「決まらない理由がない」のに、内見すら入ってこない。これは賃貸でもマンションでもテナントでも起こります。

なぜか。リフォームもADも、すべて「物件と条件」という土俵の上の打ち手だからです。物件情報をお客さんの前に運び、内見をセットし、申込みを後押しするのは、最終的には管理会社・仲介会社の”人”です。その人が動いていなければ、どれだけ物件を磨いても情報は止まったままになります。空室対策で見落とされがちなのは、まさにこの「人が動いているか」という一点なのです。

見落とされがちな空室の本当の原因=”人が動いていない”

空室対策の主役は、実はオーナーでも物件でもなく、その物件を実際に紹介する管理会社・仲介会社の担当者です。彼らが何件も抱える物件の中で「あなたの部屋を優先的に案内するか、後回しにするか」。ここで差がつきます。

管理会社・仲介は「言い出せない」ことがある(広告料・条件・特別対応)

担当者は、内心では「ここはもう少し広告料を上げてくれたら動きやすいのに」「フリーレントを1ヶ月つければ決まりそうなのに」「ペット可にすれば反響が変わるのに」と思っていることがあります。ところが、それをオーナーに切り出せないケースが少なくありません。

理由はシンプルで、「お金の話を嫌がりそう」「条件変更を渋りそう」「機嫌を損ねそう」と感じる相手には、提案そのものをしづらいからです。担当者にとってオーナーは大切な取引先であり、関係を悪くしてまで踏み込んだ提案をするインセンティブは、正直あまりありません。結果、「言えば動くかもしれない一手」が、オーナーに届かないまま空室が続きます。

これは私が営業を20年やってきた経験とも重なります。お客さんや取引先に対して、「この人には踏み込んだ提案がしづらいな」と感じる相手は確かに存在しました。逆に「この人になら本音の提案ができる」相手には、こちらから一歩踏み込んだ情報や条件を持っていきたくなる。動いてもらう側に回った今、自分が管理会社にとってどちらの相手になっているかを、常に意識するようになりました。

初心者ほど人脈・経験・影響力が少なく関係性で不利になりやすい

もうひとつ見落とされがちなのが、オーナー側の「立場」です。何棟も保有し管理会社に多くの手数料を落としているベテランオーナーと、1棟目を買ったばかりの初心者投資家とでは、同じ管理会社でも対応の温度が変わることがあります。

これは管理会社が意地悪なのではなく、ビジネスとして自然なことです。紹介の数、付き合いの長さ、落としてくれる手数料――そうした「関係性の蓄積」が少ない初心者ほど、優先順位で後ろに回されやすい。人脈も経験も影響力もこれから、というスタート地点では、物件力以前に「関係性」で不利になりやすいのです。

ここで大事なのは、その不利を埋めるのに、必ずしもお金も年数も要らないということ。次の章で見るように、早く決まるオーナーは「自分から動かす側に回る」ことで、関係性のハンデを最初から埋めにいっています。

空室が早く決まるオーナーがやっている3つのこと

では、関係性で「動かす側」に回るには何をすればいいのか。私が見てきた早く決まるオーナーには、共通する3つの行動があります。いずれも特別なお金や年数ではなく、「自分から先に動く」という姿勢です。

1. 報酬の提案を自分から先にする

管理会社が言い出しにくい筆頭が、お金の話=広告料や募集報酬です。だからこそ、オーナーのほうから先に切り出すと、担当者は一気に動きやすくなります。

たとえば「長く決まらないようなら広告料を上乗せする用意があります。決めてくれた担当者さんに報いたいので、必要なら遠慮なく相談してください」と先に伝えておく。これだけで、あなたの物件は担当者の中で「優先して紹介したい物件」に変わります。お金の話を自分から出すオーナーは現場では驚くほど少なく、営業の感覚で言えば「インセンティブが明確な案件ほど本気で動く」のと同じ構造です。動いてもらう側になった今も、私はこの一言を先に置くようにしています。

2. 「必要なら柔軟に対応します」と先に伝える

条件面でも同じです。「申込みが入りそうなら、家賃やフリーレント、設備の追加など柔軟に相談に乗ります」と先に伝えておくと、担当者は商談の現場で機会を逃しません。

逆に、何を相談しても「無理」「前例がない」と渋るオーナーには、担当者は「持っていっても通らない」と学習し、提案自体をしなくなります。柔軟さを示すことは決定権を手放すことではなく、「相談の窓口を開けておく」こと。最終判断はオーナーがすればいいのです。

3. 感謝・レスポンス・連絡のしやすさを整える

意外に効くのが、この3つ目です。連絡へのレスポンスが速く、決めてくれたら素直に感謝を伝え、日中でも連絡が取りやすいオーナー。担当者にとっては「仕事がやりやすい相手」であり、自然と優先順位が上がります。

申込みの可否確認に丸一日返事がないオーナーと、30分で「OKです、ありがとうございます」と返ってくるオーナー。お客さんを目の前にしている担当者が、次にどちらの物件を勧めたくなるかは明らかです。

逆に「後回しにされるオーナー」の特徴

  • 条件が厳しく、何を相談しても渋る
  • 細かい要望が多く、対応に手間がかかる
  • 広告料・募集報酬など費用の話を嫌がる
  • 決めてくれても感謝が薄く、当然という態度
  • 日中に連絡がつかず、返事が遅い

どれも「物件の良し悪し」とは無関係です。それでも、こうしたオーナーの部屋は静かに後回しにされていきます。

3つに共通するのは、「管理会社が気持ちよく動ける状態を、オーナーが先につくっている」こと。物件を磨くのと同じくらい、この関係性づくりが空室対策の打ち手になるのです。

「広告料はもったいない」の落とし穴|損失の正しい比較

ここまで読んで「報酬を自分から提案、と言われても、広告料を払うのはもったいない」と感じた方もいるはずです。実はこの「広告料はもったいない」という感覚こそ、空室を長引かせる落とし穴です。

“空室のまま止まる損失” vs “早く決めるための経費”

比較すべきは「広告料を払う/払わない」ではありません。「空室のまま止まり続ける損失」と「早く決めるために使う経費」のどちらが大きいか、です。

たとえば家賃8万円の部屋が空いているとします。1ヶ月空室が続けば、それだけで8万円の家賃が失われます。2ヶ月で16万円、3ヶ月なら24万円。さらに空室期間が延びるほど、内装の劣化や物件の「決まりにくい部屋」という評判も積み上がります。

一方、広告料(AD)の相場は地域や物件種別によって幅がありますが、賃料の1〜3ヶ月分程度で設定されることが多いとされます。仮に家賃1ヶ月分=8万円の広告料を上乗せして、空室期間が3ヶ月から1ヶ月に縮まったとすれば、失われずに済んだ家賃は16万円。差し引きで手元に残るお金はむしろ増える計算になります。

考え方の軸

広告料は「払って損するコスト」ではなく、「空室期間という最大の損失を短くするための投資」。比べるべきは経費の有無ではなく、空室を放置したときの逸失家賃です。

もちろん、広告料を出せば必ず早く決まる、というものではありません。エリアの需給や物件の状態が前提にあるのは大前提です。ただ、「もったいない」という感情だけで選択肢から外してしまうと、より大きな空室損失を見逃すことになりかねません。

広告料・募集報酬は必要経費として計上できる

もう一点。広告料や募集にかかる報酬は、賃貸経営における必要経費として計上できるのが基本的な考え方です。つまり、まるまる持ち出しになるわけではなく、経費として扱える分があるということです。この点も「もったいない」という感覚を冷静に見直す材料になります。

※ 経費の扱いや計上の可否は個々の状況・契約内容によって異なります。具体的な税務処理については税理士など専門家に確認してください。

空室リスクを根本から減らしたいなら|借上げ(サブリース)という選択肢

「自分で管理会社を動かすのが難しい」「空室の損失を根本的に避けたい」という方には、借上げ(サブリース)も選択肢の一つです。家賃保証と引き換えに手取りは下がりますが、空室リスクを管理会社側に移せます。1万室の借上げ実績があるクロスハウスは、空室対策に特化したサービスを提供しています。メリット・デメリットの両面を確認したうえで、自分の物件に合うか判断してください。

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不動産投資は「物件を持って終わり」ではなく経営である

ここまでの話を一言でまとめると、不動産投資は「物件を買って終わり」ではなく、人に動いていただきながら運営していく”経営”だということです。

物件を持った瞬間がゴールだと思っていると、空室が出たときに「リフォームか、家賃down か、AD か」という物件・条件論だけで戦おうとします。でも実際にその物件を市場に届け、内見をセットし、申込みを後押しするのは管理会社・仲介会社の人です。「ADを出せば決まる」でも「家賃を下げれば決まる」でもなく、条件を現場で活かしてくれる”人”が気持ちよく動ける状態になっているか。ここを整えるのが、経営者としてのオーナーの仕事です。

私は営業を20年やってきて、その後オーナーになりました。「売る側・動いてもらう側」と「買う側・動かす側」の両方を経験したからこそ、はっきり分かることがあります。
人は、ロジックだけでは本気で動きません。「この人のためなら一歩踏み込みたい」と思える相手にこそ、踏み込んだ提案も優先的な対応も集まる。カード営業の現場で「気持ちよく動ける相手」と「動きたくない相手」が確かに存在した構造は、そっくりそのまま、オーナーと管理会社の関係に当てはまります。

私自身、いまも収益物件のオーナーとして管理会社と日々向き合っている当事者です。机上の理屈ではなく、「動かす側」を10年以上やった人間が、今度は「動いてもらう側」として実践している。本記事の中身は、その両方の現場感覚から出てきたものです。

なお、関係性を整える努力をしてもそもそも今の管理会社が機能していないと感じるなら、それは別の問題です。管理会社そのものを見直すべきタイミングと手順については、「不動産管理会社の変え方|失敗しない切り替え手順」で詳しく解説しています。本記事はあくまで「今の会社にどう動いてもらうか」、変える判断はそちらを参考にしてください。

そして、不動産投資そのものの始め方・向き不向きを基礎から確認したい方は、「不動産投資はやめとけ?元営業20年が語る始め方の全体像」もあわせてどうぞ。退去時の原状回復をめぐるトラブルを未然に防ぐ視点は「賃貸の原状回復トラブルを防ぐ方法」にまとめています。

よくある質問(FAQ)|空室対策と管理会社

空室対策にADは出すべきですか?

一概に「出すべき」とは言えませんが、最初から選択肢を外すのはおすすめしません。判断の軸は「払う/払わない」ではなく、「空室のまま止まる損失」と「早く決めるための経費」を比べること。家賃1ヶ月分のADで空室期間が2ヶ月縮まれば、逸失家賃のほうが大きく、手元に残るお金が増えることもあります。ただしエリアの需給や物件状態が前提で、出せば必ず決まるものではない点には注意してください。

空室対策の広告料(AD)の相場はどれくらいですか?

地域や物件種別で幅がありますが、賃料の1〜3ヶ月分程度で設定されることが多いとされます。需給が緩いエリアや決まりにくい物件ほど高めになる傾向があります。なお広告料や募集報酬は賃貸経営の必要経費として計上できるのが基本的な考え方ですが、計上の可否や処理は状況により異なるため、具体的には税理士など専門家に確認してください。

管理会社を変えるべきタイミングはいつですか?

報酬や柔軟対応を自分から提案しても反応が鈍く、連絡や報告が滞り、客付けの動きが見えない状態が続くなら見直しのサインです。まずは関係性を整えて「今の会社に動いてもらう」努力をしたうえで、それでも機能しないと判断したときに切り替えを検討するのが順序です。具体的な手順は別記事で解説しています。

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まとめ|長期的に空室に強いオーナーになるために

空室がなかなか埋まらないとき、つい「もっとリフォームを」「もっと家賃を下げて」「もっとADを」と、物件と条件をいじる方向に意識が向きます。でも本記事で見てきたとおり、本当の分かれ目は物件ではなく、管理会社・仲介会社という”人”が動いているかどうかです。

最後に、今日から実践できるポイントを整理します。

  • 報酬の提案を自分から先にする(言い出しにくいお金の話を、オーナー側から開ける)
  • 「必要なら柔軟に対応します」と先に伝える(相談の窓口を開けておく。最終判断は自分で)
  • 感謝・速いレスポンス・連絡のしやすさを整える(「仕事がやりやすい相手」になる)
  • 広告料は「もったいない」でなく「空室損失を縮める投資」で比較する
  • それでも機能しないなら、管理会社の見直しを検討する

不動産投資は、物件を買った瞬間がゴールではなく、人に動いていただきながら続けていく経営です。物件力を整えることと同じだけ、相手が気持ちよく動ける関係性をつくることに手をかけられるオーナーが、長期的に空室に強くなります。

「売る側」を10年以上やってきた私自身が、いまオーナーとして実践していること。それは結局、「自分が動かす側に回る」という一点に尽きます。物件をいじる前に、まずは管理会社との関係性を見直してみてください。空室対策の景色が、きっと変わります。

不動産投資の全体像から見直したい方は「不動産投資の始め方の全体像」を、退去・原状回復の備えは「原状回復トラブルを防ぐ方法」もあわせてご覧ください。

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