はじめに
営業という仕事を20年続けてきた私が、今でも強く実感するのは
**「良い商品・サービス=売れる」ではない**という現実です。
どんなに優れた内容でも、提案の仕方次第で結果が180度変わります。
今回は、私が実体験から学んだ “断られにくい提案” の極意を、営業初心者にもわかるようにお伝えします。
「提案=説得」だと思っていませんか?
かつての私は、提案とは「相手を説得すること」だと思い込んでいました。
しかしそれでは、**相手の頭と心の両方に引っかからない**。
本当に効果的な提案とは、相手が**自然と Yes と言いたくなる流れを設計する**ことなのです。
極意1:まず“前提”を合わせる
断られる最大の理由は、**話している土台がズレていること**にあります。
たとえば「コスト削減」の話をしているのに、
相手が本当に重視しているのは「安全性」だった場合──
どれだけコストメリットを語っても、刺さりません。
✔︎ ポイント
– ヒアリング段階で「相手の優先順位」を確認する
– 提案書の冒頭に「本日の提案の前提(背景)」を明記する
極意2:選択肢を1つにしない
提案が1つしかないと、相手の頭の中は「受ける or 断る」の2択になります。
そこで有効なのが、**選択肢を2つ以上提示すること**です。
✔︎ 実践例
– A:初期費用を抑えたライトプラン
– B:成果重視のフルサポートプラン
このように、相手の意識を「どちらにするか?」に切り替えることで、
自然と前向きな議論につながります。
極意3:「相手の中にある言葉」を使う
提案の際には、**相手が過去に使った言葉や表現**を意識的に取り入れましょう。
✔︎ 具体例
> 相手:「うちはスピード命なんです」
> → 提案書:「●日以内で納品可能な体制を構築しております」
相手にとって「理解されている」と感じることで、**心理的な壁が低くなり、信頼もアップします。**
極意4:ノーを言いやすくする
「断りづらい提案」は、かえって信頼を損ねます。
重要なのは、**断っても関係が壊れない空気感を最初から提示すること**です。
✔︎ フレーズ例
– 「無理に決める必要はありません」
– 「今回は見送りでも、またご相談いただければうれしいです」
この一言があるだけで、相手の**防御反応が下がり、次回につながる可能性が大幅に上がります。**
おわりに
営業は「断られない提案」を目指すことよりも、
**「次につながる提案」**を積み重ねる仕事です。
20年の中で幾度も失敗し、断られ、それでも積み上げてきたからこそ断言できます。
> 提案は技術です。磨けば、誰でも成果につながります。
営業初心者の方も、自分の「型」を持ち、少しずつブラッシュアップしていきましょう。
## よこブロ編集後記
「断られたら終わり」ではなく、「断られた先にも未来がある」。
それを忘れずに、今日も一歩ずつ積み上げていきましょう。